日刊スポーツ9/1(水) 19:05
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<東京パラリンピック:ボッチャ>◇混合個人決勝(BC2:脳性まひ)◇1日◇有明体操競技場

杉村英孝(39=伊豆介護センター)がボッチャ個人で日本勢史上初メダルとなる金メダルを獲得した。BC2(脳性まひ)の決勝で、16年リオデジャネイロ大会で個人、団体ともに金メダルのウォンサ・ワッチャラポン(タイ)に5−0で勝利した。ボッチャがさかんなタイで国民的英雄と言われる相手に対し、大舞台でも冷静な頭脳戦を繰り広げた。

3大会連続で出場。前回の16年リオ大会団体戦では司令塔として、初のメダルとなる銀メダルに貢献した。今大会は「団体は銀以上の色のメダル。個人としてもメダル圏内に加わりたい」と、初の個人メダル獲得も目標に掲げていた。

今大会の個人1次リーグは3戦全勝で突破。8月31日の準決勝では、12年ロンドン大会覇者のマシエル・サントス(ブラジル)との対決を接戦の末に制し、決勝に進んだ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を大きく受けた。先天性の脳性まひで手足が不自由で、日常生活はサポートを必要とするため、コロナ禍で移動も制限された。19年12月から7月の日本代表の壮行試合までの約2年半、実戦の場がなかった。壮行試合で「バス移動とか一連の流れがすべてが懐かしい。新鮮に感じた」と話すほど、試合機会がなかった。

「火の玉ジャパン」日本チーム主将も務める。活躍には、ボッチャ界の将来への思いも込められている。「自分としては、障がい者がすごいプレーをしているとあまり見てもらいたくなくて。1人のアスリートとして、すごいなって感じてもらえたら。未来の『火ノ玉』選手の活躍につながるようなきっかけになれば」。日本のボッチャ界の将来にとっても最高の結果を出した。【近藤由美子】