東京五輪招致で組織委理事に約9億円、森氏の団体に約1億4500万円 ロイター
 
2020年3月31日、ロイター通信は、2020東京五輪招致を巡り、大会組織委員会理事を務める
広告代理店電通元専務の高橋治之氏が、東京五輪招致委員会から820万ドル(約8億9千万円)
相当の資金を受け取り、国際オリンピック委員会(IOC)委員らにロビー活動を行っていたと伝えた。
さらに招致委員会は、森喜朗元首相が代表理事・会長を務める非営利団体、「一般財団法人
嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」にも約1億4500万円を支払っている
ことを明らかにした。ロイター通信は、日本側がフランス司法当局へ提出した招致委の
銀行口座の取引明細証明書を入手したという。この文書には招致活動の推進やそのための
協力依頼に費やした資金の取引が3000件以上記載されており、多くの人々や企業が
資金を受け取り、東京招致の実現に奔走した経緯を窺い知ることができる。
支払いの中で最も多額の資金を受け取っていたのは、電通の元専務で、現在は東京
オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(組織委)の理事を務める高橋治之氏で、
口座記録によると、高橋氏にはおよそ8.9億円が支払われていた。

東京2020大会招致の贈収賄疑惑も、ロシアの組織的なドーピング疑惑の捜査を進めている中で
浮かび上がった。フランス司法当局は2015年に、当時の国際陸連会長のラミン・ディアク氏が
ドーピングを黙認する代わりに現金を受け取っていた容疑で捜査を始めた。
その過程で東京五輪の招致疑惑が浮上したとされている。