https://www.tokyo-np.co.jp/article/117676?rct=national

知的障害者の権利擁護と政策提言を行う一般社団法人「全国手をつなぐ育成会連合会」は18日、東京五輪開会式の楽曲を担当するミュージシャンの小山田圭吾さんが過去の雑誌インタビューで告白した学生時代のいじめに批判が集まっている問題について、公式サイトで声明を発表した。連合会は、知的障害者本人や親、支援者らで構成され、会員は約10万人。(デジタル編集部)

声明では「小山田氏のインタビュー記事は採録がためらわれるほどの凄惨な内容であり、いじめというよりは虐待、あるいは暴行と呼ぶべき所業」とし、「小山田氏の行為には強く抗議する」としている。
 さらに「なぜ小山田氏が自身を『いかなる差別も禁じる』としている五輪憲章を掲げるオリンピック、そして障害者アスリートの祭典であるパラリンピックの楽曲提供を担当するに相応しいと考えたのか、理解に苦しみます」と指摘。また「今般の事案を踏まえても留任させる決断をしたにも関わらずまったく公式な説明を行っていない東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会には、重い説明責任があります」として、小山田氏と組織委員会に「真摯な説明」を求めている。

一方で、「すでにオリンピックの開催が直前に迫っており、小山田氏も公式に事実を認め謝罪していることも勘案して、東京2020オリンピック・パラリンピック大会における楽曲制作への参加取りやめまでを求めるものではありません」としつつ、「今般の事案により、オリンピック・パラリンピックを楽しめない気持ちになった障害のある人や家族、関係者が多数いることについては、強く指摘しておきたい」とつづっている。

連合会の事務局、又村あおいさんは、今回の声明について「国際的なイベントに、五輪憲章に明らかに抵触する差別的な言動があり、雑誌で取り上げた人物が重要な役割でかかわることに、強く抗議すべきだとの声が会員から上がっている」と説明。「今後小山田さんや組織委員会からできる限り早く、真摯な説明がなかった場合は、さらに厳しい声明を出さざるをえない」としている。