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6月24日、中国の『サンボーン』が開発したスマートフォンゲーム『ドールズフロントライン』に不穏な動きが勃発。中国版において英語表記≠排除するような仕様変更が明らかになり、ネット上でさまざまな憶測を呼んでいる。

「ドールズフロントライン」は終末的な世界観をもとに、実在する重火器をモチーフとした萌えキャラクターが活躍する戦略RPG。ハンドガンの「トカレフ」やサブマシンガンの「トンプソン」など、さまざまな国の著名な重火器が登場してきた。

そんな同作が注目を浴びたのは、中国版「ドールズフロントライン」の公式アカウントが、中国最大のSNSである『Weibo』で行った投稿がきっかけ。中国版のアップデート内容として、キャラクターの名前が一斉に中国語へと変更されることが明らかとなった。これだけなら、重火器の名称を使用することに著作権上の問題があり、変更されたとも考えられる。しかしどうやら、キャラクター名だけでなくUIにおいても同じ変更があったようだ。バトルに勝利した際に表示されるS〜Dのランクが顔文字に変更されるなど、徹底してアルファベットの使用が避けられているようだ。

突然の仕様変更に中国のユーザーたちも動揺したようで、《変更する理由を教えてください》《なぜ全部中国語にしようとするのですか? 私には理解できない》《名前を元に戻してください。UIが変更されることに困惑しています。本当に理解できません…》などと困惑する声が多く見受けられた。

また日本のネットユーザーの中には、この変更に「政治的背景が関係している」と推測する人も。《ドルフロの英語禁止、日本の戦時の敵性語みたいで草生えた》《ゲームのなかでくらい世界平和しよう》《戦時中の日本かよ》といったツッコミが続出している。

中国のソーシャルゲーム業界に何が…

多くの人が邪推を働かせているのは、中国のソーシャルゲーム業界で何かと不穏な動きが見られるからだろう。つい先日には、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』でヒロイン・本間芽衣子役を演じた茅野愛衣が騒動に巻き込まれることに。

茅野は今年2月、Webラジオ『茅野愛衣のむすんでひらいて』内で「靖国神社」への参拝を報告。それをきっかけとして、中国のネットユーザーから激しいバッシングを受けた。そして今月、『アークナイツ』や『崩壊学園』、『アズールレーン』といったゲームの中国版で担当キャラクターの声が削除されるという実害が生じたのだ。

7月1日には、中国共産党結党100周年の記念式典が行われる予定。これはあくまで憶測だが、国威発揚に向けた動きが活発化した結果、多方面に影響が及んでいるのかもしれない。今後アニメ・ゲーム業界において、どのような変化が生じていくのだろうか…。