競泳選手として活躍した井本直歩子氏は現役引退ののち海外を舞台に活動し、2021年に東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会ジェンダー平等推進チームのアドバイザーに就いた。彼女が現在の日本のスポーツ界をめぐるジェンダーの在り方とその問題点を語る(全2回の2回目/前編から続く)。

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会のジェンダー平等推進チームのアドバイザーに就任、勉強会を立ち上げるなど尽力する井本直歩子は語る。

「ジェンダー平等のために、メディアの役割はものすごく大きいと思っています」

 1996年のアトランタ五輪に出場するなど競泳選手として活躍。2000年に競技生活から退いたあと、JICA(国際協力機構)でガーナ、ルワンダなどで活動し、その後国連児童基金(ユニセフ)の職員として各国で任務にあたった。休職して今年1月に帰国すると、スポーツ界でのジェンダー平等推進のための活動に携わり始めた。

 その中で感じるのがメディアの影響だ。

「渋野日向子さんと松山英樹さんで取り上げ方が異なる」
「『男はこうあるべき、女はこうあるべき』のイメージ、ビジネスマンや、ママの像とか、CMやテレビ番組でくっきりと描かれている。生活の隅々、頭の隅々までこびりついている。コメンテーターの話でも感じます」

 スポーツにおいても痛感する。

「女性アスリートは、あまりにも競技性と違うところが注目されがちですよね。もちろん、きちんと伝えようとしている人はたくさんいると思います。でも男女を同じように報道していないメディアも多いですよね」

 そう言って例をあげる。

「(ゴルフの)渋野日向子さんと松山英樹さんで取り上げ方が異なりますよね。松山さんの私生活やルックスのことは誰も言わない、取り上げないじゃないですか。でも渋野さんについてはお菓子を食べていることだとかスマイルのことが数多く取り上げられます」

 一例にはとどまらない。

「特にウィンタースポーツだと、競技の理解、知識が低い面があるから、競技性ではないところばかりを取り上げがちになっています。(カーリング女子代表の)『もぐもぐタイム』とかそればかりやっていましたよね」

競技の内容に関する報道が十分でなければ
 カーリングは5エンド終了後に7分間のハーフタイムがある。各チームはそれぞれに栄養補給などを行なうが、平昌五輪のとき日本女子代表のその光景が「もぐもぐタイム」として連日のようにメディアに取り上げられた。試合の内容はそっちのけで伝えるメディアもあった。

 選手は会見で「これをきっかけに(視聴者がカーリングに)のめりこんでもらえれば。戦術も練りこんでいるので、そこも注目してほしい」と語ったが、競技の内容に関する報道が十分でなければ、その人気はどうしても一過性のものになりがちだ。

 このように、えてして女性アスリートの場合、競技以外のことがメディアに注目されがちなのだ。今年の冬、数名の現役あるいは引退した女性アスリートに取材した際も、特定の選手のメイクについてばかりがクローズアップされることへの拒否反応を語っていた。

話題性のために容姿を取り上げることは否定しないが
「メジャーなスポーツでない場合、その競技を取り上げてもらうことは歓迎でしょうし、話題性のためにメディアが容姿などを取り上げることも否定はしません。需要があるのは当然で、報道の自由もある。でもその一方で競技性もきちんと取り上げてもらうようにしないと」

 内容もさることながら、「タイトル」あるいは「見出し」のつけ方も、ジェンダーとかかわる問題がある。例えば、「美しすぎる〇〇」といった形容のあり方だ。当のアスリートからも、ときに違和感が語られる。

「女性アスリートを、アスリートとして見るべき。五輪の金メダル数は近年女性の方が多いんですよ。平等に扱って欲しい。ビジュアルや私生活といった競技と関係ないことばかり取り上げることはおかしいという議論をしていきたいですね」

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/f9adf1697a5af261825e26e8aacc5648b3e82491
https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd/20210625-00848568-number-000-1-view.jpg

★1 2021/06/25(金) 17:10:55.16
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