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阪神・佐藤輝の4番固定は時期尚早? ライバル球団が指摘する「乗り越えるべき壁」
阪神打線を支える佐藤輝(右)とサンズ
 リーグ戦再開後のミッションは「ひとり立ち」――。阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手(22)は初の交流戦を6本塁打、12打点と大暴れ。リーグ戦同様の新人離れした実力を見せつけ、パ・リーグ関係者をも「近い将来は球界の4番」と驚かせた。そんな怪物新人のさらなる進化に向けて重要なポイントがあるという。

 5月28日の西武戦での1試合3発など、交流戦でも佐藤輝は規格外の活躍も見せた。今や打線に不可欠な存在ながら「どの打順がベストか?」は流動的だ。開幕から「6番・右翼」が定位置だったが、5月以降は持ち場も微妙に変化した。5月上旬に4番・大山が故障離脱した際は10試合で4番も経験し、大山が復帰した交流戦では最も慣れた6番に戻り、6月8日の日本ハム戦からは5番にも座った。

 矢野監督は「現状はそれで…」と引き続き5番打者として、リーグ戦再開(18日・対巨人=甲子園)を迎える見込み。この打順問題で、セ球団のスコアラーは「期待値だけではない信頼という意味でも、どの程度かが見えてくる」とし、現状では「後ろを打つ選手」が日替わりになるほど、佐藤輝への信頼が高まっていることにもなると推察する。

「これまではどちらかと言えば、打順の中で『勝負してもらえる』環境に置いてもらっていた。後ろには得点圏で強い梅野がいて、梅野が調子を落としたら、同じぐらい勝負強いサンズを後ろに置いて。それは作戦面としても理にかなったものだけど、矢野監督としても何とか経験が少ない中でも結果を残してほしいという親心も多少はあったと思う」

 ここまで佐藤輝は1試合を除き4〜6番で先発起用されている。後ろにはどの打順であれ得点圏打率が3割8分1厘でリーグトップの梅野や長打率5割2分6厘を誇るサンズが配置され、2人以外はわずか4試合。敵からすると、塁上に走者を埋めた場面、佐藤輝を迎えた際は「次打者」と佐藤輝を天秤にかけ、プロでの経験値の少ない新人との勝負を選択することも多々あったということになる。

 そんな背景もあり、前出スコアラーは一時的に務めた4番については、まだ時期尚早と診断する。「大山は調子の良し悪しもそうだけど、誰が前後に入るか関係なく4番ですよね? それはもう彼は監督から、打者として一人で勝負できるという信頼を貰っている証拠。逆を言えば周りがダメなときも、彼だけはそれを補う結果を求められるキツさもありますからね」

 ここまでリーグ4位の16本塁打に打率2割7分4厘、44打点は新人としては立派な数字。だが、佐藤輝も「やっぱり打てるときと打てないときの差がまだある。常に同じような成績を目指せるように」と進化の必要性を口にする。

 チームとしても、やがては大山と本格的に「4番争い」をするレベルになるまでの成長が待たれるところ。先発オーダーの並びで、前後の絡みに関係なく不動の立ち位置を得ることは、指揮官から全幅の信頼を得た証でもある。ひとり立ち≠ヘ今後の佐藤輝が目指す打撃の安定感ともリンクしそうだ。

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