エイベックスは5月27日、サイバーエージェントを処分予定先とする第三者割当による自己株式の処分を発表した。6月14日付で350万株を処分し、約52億円を調達する。これにより、サイバーエージェントが保有するエイベックス株の持株比率は、発行済株式総数の12.25%に達し、筆頭株主になるとしている。

 両社は、音楽配信サービス「AWA」を共同で展開するほか、サイバーエージェントの動画配信サービス「ABEMA」でのエイベックス所属タレントの番組出演、アーティストのライブ配信、ゲームイベント「RAGE」の共同開催など、すでに幅広く協業する関係にある。また、AWAの事業展開の推進を目的に2014年11月に資本業務提携を締結。この第三者割当で、サイバーエージェントはエイベックスの発行済株式約4.4%を保有する。

 エイベックスは、ヒット創出のために必要となる資金の規模や収益化までに要する期間が従来に比べ大型化・長期化しており、特にコロナ禍でライブ事業の展開が厳しくなっている状況などを踏まえ、「強固な事業基盤と財務基盤を有する外部パートナーとともに共同で事業を展開していくことが重要」とリリースでコメント。サイバーエージェントとの関係強化を図る。

 同社では、調達した資金を「グローバルアーティストの発掘・獲得・育成・プロモーション費用」と、「大型アニメーション・ゲームの開発・プロモーション費用」に充てる予定。今後、両社はエイベックスのタレントやアーティスト、楽曲、アニメ作品をABEMAなどのプラットフォームに展開するだけでなく、サイバーエージェントのデジタル人材、ノウハウ、ネットワークを活用し、新たなヒットコンテンツを創出するとしている。

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