[5.9 J1リーグ第13節 浦和 2-0 仙台 埼玉]

 プロデビューとなった3月2日のルヴァン杯・湘南戦に続いてJ1デビュー戦もクリーンシートで飾った。
浦和レッズの18歳GK鈴木彩艶が持ち前の安定したプレーで2-0の勝利に大きく貢献。チームをリーグ戦2試合ぶりの勝利と4試合ぶりのクリーンシートにいざなった。

「ルヴァン杯より少し緊張していた部分があったけど、仲間の声掛けがあっていつも通りプレーできた」。人懐こい笑みをこぼした。

 立ち上がりの前半7分のピンチをしのいで波に乗った。浦和は自陣でのパスミスから相手にボールを奪われ、彩艶が仙台FW西村拓真と1対1になる大ピンチ。だが、彩艶は落ち着いていた。冷静に間合いを詰めると、西村が足を強振するタイミングで大きな体を広げ、シュートを防いだ。

 これで勢い付くと、前半16分、同32分にも枠内シュートを危なげなくキャッチ。2点のリードをもらった後の後半41分には、昨年まで浦和でプレーしていたMFマルティノスの強烈な左足ミドルをパンチで防いだ。「CKのところで危険な場面があった」と反省したが、全般的にはハイボールの処理も安定していた。ゴールキックは威力抜群で飛距離も魅力だ。

 3月の日本代表戦に3年4か月ぶりに招集されたGK西川周作をベンチに押しのけての先発だった。サプライズ起用についてリカルド・ロドリゲス監督は、「西川は前回の福岡戦で少しのミスはあったが、そこまで悪かったわけではない。大分戦でチームを救うビッグセーブも見せていた」としたうえで、彩艶について「練習やルヴァン杯でのプレーで彼のパフォーマンスを評価した」と先発起用の理由を説明した。
結果的に無失点に抑えたことについては高く評価。「すごく良いプレーをしてくれた。チームを救うプレーをしてくれた」と目を細めた。

 見事な無失点デビューとなったが、西川との守護神争いはここからが本当のスタートと言えるだろう。給水タイムで試合が止まった時は西川が彩艶に気付いたことを耳打ちする姿があった。彩艶は「自分が見えていないところを的確に伝えてくれて、それを生かせてよかった。練習の時からGKが一つのチームとしてやっている」と素直に感謝する。

 ただ、ポジション争いで引く気持ちは微塵もない。「シーズンの最初から、今季は出るだけではなく続けることが大事と言ってきた。これからも出られるようにアピールを続けたいし、勝ち取っていきたい。1試合終わっただけなので、次の試合に向かって練習でアピールしたい」。安定感のあるプレーぶりを表すかのように、地に足のついたコメントで次戦を見つめた。

(取材・文 矢内由美子)
https://web.gekisaka.jp/news/detail/?331126-331126-fl

鈴木彩艶
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引用元:ゲキサカ