2012年ロンドンオリンピックで監督として女子日本代表チームを銅メダルに導き、現在はVリーグ1部(V1)のヴィクトリーナ姫路で取締役球団オーナーを務める眞鍋政義さんが、ラジオ番組に出演。監督時代の裏話を明かした。

 日本を代表する名セッターとしても名を馳せ、監督になってからも「眞鍋=iPad」、「眞鍋=データ」として、日本バレーボール界を席巻した、眞鍋さん。ただし、「IDバレー」草創期には、失敗もあったという。

「2009年から代表監督を務めましたが、当時『グラチャン』(ワールドグランドチャンピオンズカップ)という大会があったときのこと。パソコンの画面上では日本チーム14人、相手チーム14人の(試合登録メンバーの)数字が横にずらーっと並んでいて、ある選手のデータが下がってきたと思い、メンバーチェンジしたんです。試合が終わってホテルに帰ってきてから、(見るべき)数字が1行ずれていたことに気付いて……。生中継される試合で、当然、初の代表監督ということでも緊張していたと思うのですが」

 次の年からスタッフ陣に「いいのがありますよ」と勧められたのが、iPad(のタブレット)。「その頃、老眼の初期だったのですが、(iPadは)字が大きくできるのでよかった(笑)」という眞鍋さん。そのなかで「IDバレー」を実行しやすい要因を次のように語る。

「バレーボールという競技は、1回1回時間が止まる。また、『情報戦略班』というアナリストが各国、各チームにいて、ボールに触るたび、キーボードでパパパっと打って、それを数値化することができる。1回プレーが終わると数字がごろごろ変わる。イヤホンやマイクをつけて、タテヨコ四方八方にデータマンがいて連絡を取り合っている。しかもその(情報が掲載された)タブレットを(試合中に)選手に見せてもいい」

 そのことに気付くと、「だったらデータだけは世界一になってやろう!」と、データを駆使した戦いに本格的にシフトした。「タブレットを持っているだけで相手チームは『何をやって来るんだろう……』と思うものですし」。

 そんな眞鍋さんが、実際に普段でもITを使いこなしているのかと思いきや、「これ、あまり言いたくないんですが、僕ね、絶対に持ち歩いてるものが手帳ですよ!」と、アナログにもこだわる。「手書き! 手帳命!! 人間書かないと覚えられませんよ!」と、意外な実情も披露した。

◆女性アスリートと向き合えた秘訣は「サプライズ!」

「現役の時に(男子日本代表チームが)アトランタオリンピック予選で敗退したこと(初めて出場権を逃したこと)がやっぱり悔しかった。オリンピックに行けなかったからこそ、北京の後に(女子日本)代表監督に立候補した」という眞鍋さん。指揮官としての手腕を発揮し、女子日本代表をロンドンオリンピックで銅メダル、リオ・デ・ジャネイロオリンピックでベスト8に導く。

 指導者としては、久光製薬スプリングス(現、久光スプリングス)、女子日本代表で実績を残し、ヴィクトリーナ姫路でも初の女子プロバレーボールチーム設立に尽力。現在は球団オーナーを務める眞鍋さん。番組のなかで、女性選手との向き合い方について問われると、「女性の集団を指導することについて、この番組で語るのは30分じゃムリ! 2時間かかる!」と苦笑しつつ、「選手のモチベーションを上げるのが監督の仕事」と、モチベーターに徹したという。

「女性はサプライズに弱いところもあり、(監督時代も)いろんなサプライズを使いました。『今日は練習(急に)休み!』とか」。

 さらに、ヘアサロンに行った選手もチェック。木村沙織選手の現役時代、「(木村)沙織、少し髪の色変えた?」と尋ねると、間違いなく「眞鍋さんわかりますか?!」と返ってきたそう。そこで「おー! 似合ってるよ!!」という言葉をかけて、モチベーションアップにつなげた秘話も。番組パーソナリティー陣も感心しきりの様子だった。

 球団オーナーとして「姫路から世界へ!」をテーマに、出身地のクラブチーム「ヴィクトリーナ姫路」を牽引する眞鍋さん。最後に、「(バレーボールの)女性プレーヤーでも、プロ野球選手のような存在になれるよう、夢を持ってバレーボールを盛り上げていきたい」と意気込みを熱く語っていた。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/7184a3b7e55729c3eaa4b94be6a21e35a8cc009f
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