多くのDeNAファンが、首をかしげたくなる「不動」だった。

4月23日の阪神戦で、8回裏に打球を追ったセカンドの柴田竜拓がショートの大和と交錯し転倒。痛みで動けず、担架が運ばれる事態となった。だが、三浦大輔監督(47)はベンチでじっとし動こうとしない。柴田は左肩脱臼で、病院に搬送された。

「自力で歩けるならまだしも、大切な選手が動けなくなったんですよ。指揮官なら心配になり、様子を見に行くのが当然でしょう。ベンチにいた他の選手も、監督は気にならないのかと不安そうな視線を投げていました」(スポーツ紙担当記者)

DeNAがなかなか浮上のキッカケをつかめない。4月29日の広島戦で今季2度目の連勝をしたとはいえ、6勝20敗で5位・中日に4ゲーム差以上つけられての最下位(成績は同日現在、以下同)。チーム打率.228、防御率4.88と投打に振るわず、このままではシーズン100敗の恐れもあるのだ。

「三浦監督も現状打開のために、いろいろと動いています。打者の早出特打に自ら打撃投手を務めたり、2軍と9選手の大幅な入れ替えを断行したり……。ただ、闘志にかける行動が散見されます。チームの士気に影響しないと良いのですが」(球団関係者)

◆最高の人柄がアダに……

疑問視される三浦監督の行動は、冒頭で紹介した「脱臼事件」だけではない。ベンチでは、こんなシーンも目立つーー。

「打者が本塁打を打っても、静かにしていることが多いんです。前任のラミレスや中畑清さんは、オーバーなくらい喜び選手を鼓舞していました。首位を走る阪神の矢野耀大監督も、嬉しさを態度に表す。三浦監督は冷静というか、冷めているというか……。指揮官が無反応では、選手も『よし、これからだ』と勢いづけないでしょう」(前出・記者)

三浦監督は、現役時代ベイスターズ一筋25年。通算172勝(184敗)をあげている。

「三浦監督がエースとして活躍した90年代後半から00年代は、98年に一度優勝しただけで、ベイスターズの低迷期です。こういう言い方は酷かもしれませんが、まだ勝ち癖がない。喜怒哀楽を前面に出すなど、逆境にあるチームの雰囲気を好転させられないのかもしれません。日刊スポーツ(4月27日付)には、苦しい心情を吐露しています。『(勝てなくて)朝まで熟睡できない』と」(同前)

三浦監督は、球界でも屈指のイイ人として知られる。現役時代から不満を言わず、19年から一軍投手コーチや二軍監督を歴任したが、常にラミレス監督を立て球団の方針に従っていた。だが今季は、性格の良さも裏目に出ているようだ。

「先発投手を気遣い、交代時期を見誤る試合が多くあります。4月17日の巨人戦では先発の上茶谷大河が5回を投げ終え、疲れが見えていたのに6回も続投。一挙6点を失い敗戦となりました。指揮官は、時に冷酷にならなければなりません。勝利目前の投手でも、ピンチを迎えればマウンドから降ろすぐらいの冷たさが必要でしょう」(同前)

独特のリーゼントヘアで、「浜の番長」と愛される三浦監督。ニックネームに見合ったカリスマ指導者になるために、苦悩の日々が続く

5/4(火) 9:02
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https://news.yahoo.co.jp/articles/6eacf6eebd8c22570b077f82195006de79713c2b