巨人が、FAでの獲得を目指しているDeNA・井納翔一投手(34)に背番号「21」を用意していることが6日、分かった。宣言選手との交渉が解禁となったこの日、井納サイドに交渉を申し入れ、交渉を行った。約1時間の席では、背番号に加え、年俸1億円規模の複数年契約を提示したとみられる。ヤクルトもこの日、交渉を行ったが、争奪戦を制するために熱意をアピールした。また、同じく争奪戦参戦を決めている梶谷隆幸外野手(32)にも、できる限り早い段階で交渉を行う方針を固めている。

 巨人が井納と初交渉を行った。FA宣言公示選手との交渉が解禁となったこの日、巨人は即座に井納サイドに連絡を入れ、交渉の席を設けた。大塚副代表が出席して都内のホテルで行われた初交渉では、年俸1億円規模の複数年契約を提示。約1時間にわたって球団としての熱い思いをぶつけた。

 背番号にも期待の高さが現れる。巨人は、井納に対し背番号「21」を用意。今季まで岩隈が背負い、過去にも堀内、宮本、高橋尚、木佐貫ら主力投手が多く背負ってきた番号だ。巨人でも主力で、という思いが透けて見える。ヤクルトもこの日、約30分間の交渉を行い、井納は「(2球団と)お互いいい話ができました。しっかり考えたいと思います」と話したが、現段階では巨人に好印象を抱いていると話す関係者もいる。巨人の熱意がしっかりと届いたことは間違いない。

 井納に対する、巨人の評価は高い。今季は17試合で6勝7敗、防御率3・94の成績だったが、大塚副代表は「とにかくタフ」と安定して投球回を稼げる点を魅力に挙げる。直球に決め球のフォーク、カットボール、スライダーなど球種も多彩。「ハマの宇宙人」と異名を取るほど物おじしないメンタルで大舞台にも強い。

 巨人は今季14勝2敗のエース・菅野がポスティング申請してメジャー移籍する可能性があるだけに、先発の補強は進めておきたい事情がある。来季は戸郷、サンチェスに加え畠、今村、メルセデスら多くの若手の成長に期待がかかるが、「発掘と育成」の方針を掲げる一方で勝利も義務づけられるチームだ。大塚副代表はかねて「選手に安住させず、常に競争をあおって危機感を持たせることが、底上げにつながる」と話す。経験豊富な井納が加入すれば、戦力としてだけでなく、若手の“壁”になる期待もかかる。

 また同じく争奪戦に参戦する方針を固めた梶谷とも、できる限り早い段階で交渉する方向で調整を進めている。W獲りへ、誠意を見せ続ける。

 ◆井納 翔一(いのう・しょういち)1986年5月1日、東京・江東区生まれ。34歳。千葉・木更津総合高2年夏に甲子園出場も自身はベンチ外。3年夏はエースで県4強。上武大、NTT東日本を経て2012年ドラフト3位でDeNA入団。今季は17試合に登板し6勝7敗、防御率3.94。188センチ、94キロ。右投右打。推定年俸6100万円。

https://news.yahoo.co.jp/articles/46ae2bdb6baf29b829be35c9810925bd240c8714
12/7(月) 3:00配信

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