元SMAPで、オートレーサーの森且行(46)が11月3日、埼玉・川口オートレース場でおこなわれたSG「第52回日本選手権オートレース」の最終日12R優勝戦で1着を飾った。

同レースは、現在5つあるオートレース最高峰のSG(スーパーグレード)競争のひとつで、森の優勝戦進出は通算4度めだった。

森がSMAPを脱退したのは1996年。それから24年めにつかみ取った悲願の初優勝だ。養成所で苦楽をともにした現役オートレーサーが、笑顔で当時を振り返ってくれた。

「森君が、SMAPを辞めてまでオートレーサーになるというニュースを聞いたときは、とても驚いたものです。オートレースは、“ばくち打ちの墓場”なんて言われていましたからね。

 正直、一緒に入所するまでは、チャラチャラしたヤツなんだろうな、という印象を持っていました。でも実際に会ってみると、とても礼儀正しくて、やる気に満ちた好漢でした。すぐに仲間と打ち解けたのを覚えています。

 森君は当時、結構なヘビースモーカーでした。『マイルドセブン』を一日で2箱ほど吸ってましたね。『もうアイドルじゃないから、堂々と吸えて楽だよ』って(笑)」

 森は養成所にいた1996年8月、走行訓練中に左股関節脱臼骨折の重傷を負う。そんな苦労を重ねて、翌1997年8月に養成所を卒業。選手登録を果たした。

「プロ試験の成績は上位でしたね。驚いたのは、“オートレースの神様”と呼ばれた広瀬登喜夫さんの弟子になったことです。

 広瀬さんの指導は厳しくて有名で、離れていく選手ばかりでした。でも、森君は耐えて、実力を伸ばしていった。

 デビュー戦では、SMAP時代のファンが押し寄せて、レース場に黄色い声が響いていました。おじさんばっかりだったレース場に女性がいっぱい来るなんて、さすが元アイドルだなと思ったものです」(同前)

 その後、森は着々とGII、GIのレースで優勝を飾るが、SGでの優勝には縁がなかった。レーサーとしての実力が伴わなかったというわけではなかった。

「彼は、運動神経がいいのでスタートがとても速いんです。しかも、雨の日のレースが断トツで強い。そういう“技”は持ち合わせていた。

 しかし、同世代の選手よりも養成所入りが遅く、経験不足がずっと尾を引いていた気がします。

 元SMAPであり、“広瀬さんの弟子”という看板を背負って、相当なプレッシャーがあったはずです。長年そうした葛藤と戦い続けて、今回、SGで初優勝を飾ったことは、仲間としてとても喜ばしいことです。

 これからも、オートレース界を盛り上げていって欲しいですね」

 SMAPの仲間である中居正広(48)や、木村拓哉(47)、「新しい地図」で活動する稲垣吾郎(46)、草なぎ剛(46)、香取慎吾(43)も、続々と祝福のコメントを出した森の優勝劇。

 46歳の挑戦は、これからも続く――。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7995bd96439dd13d6fdf3a6bd6a3f6719b457267
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