今季、14年ぶりに古巣の西武に復帰した松坂大輔(40)。順調だったのはキャンプまでだった。開幕直前、首の痛みに悩まされ、7月に頚椎を手術。以降、一軍はおろか二軍でも投げていない。にもかかわらず、西武は来季も契約する方針だという。西武OBが言う。

「西武にとって松坂という存在は、それだけ特別なのでしょう。野球ファンでなくとも名前と顔が知られているプロ野球選手は松坂くらい。復活できれば御の字。できなくても引退後まで面倒を見るつもりのようです。松坂自身に現役続行の意思が固い以上、他球団に移籍、そのまま引退して指導者になろうものなら西武が生んだ怪物というイメージは消えてしまいますからね」

 日米通算170勝。獲得した個人タイトルも数知れず。腐っても「平成の怪物」だけに、むげにはできないというのだ。

 そこへいくと、なぜクビにならないのか、松坂以上に解せないのが日本ハムの斎藤佑樹(32)だ。

 松坂と同じ甲子園を沸かせたスターながら、こちらはここ8年間で4勝12敗。今季はついに入団以来初となる一軍登板ゼロに終わった。

 それでも整理対象選手に含まれていないどころか、右肘靱帯を再建するトミー・ジョン手術を受けるというウワサすらある。仮に手術なら1年半は投げられないから、球団は再来年まで面倒を見ることになる。

■「イメージ戦略と無縁ではない」

 日ハムOBは「イメージ戦略と無縁ではないと聞いています」とこう続ける。

「親会社は食品加工会社で、主なターゲットは主婦です。プロ野球ファンはともかく、甲子園を沸かせたハンカチ王子のイメージは彼女たちの間で生き続けているといいます。ヒルマン、梨田、栗山と外見や語り口がソフトで主婦受けする人を指揮官に据えていることからも分かるように、主婦層を大切にするスタンスには親会社の意向が強く働いている。現役続行を望む本人をクビにして、彼女たちの心証を害することを何より恐れているのですよ」

 斎藤がチームに残留することで、はじき出される選手がいるとすれば気の毒な話だが。

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