賞は書店の敵!?
 中田は9月9日と10日の2日間にわたって、書店や取次、出版社の問題点を指摘する動画を配信した。前出の記者が言う。

「『書店業界の危機』として、2本の動画が配信されました。1本目が『スマホが書店の主力商品を駆逐』、2本目が『書店員のジレンマと未来への提言』でした。しかし、この動画も内容に事実誤認があると出版関係者の間で問題視されているのです」

 2本の動画における事実誤認を全て指摘すると、いくら紙幅があっても足りない。

 今回は「芥川賞・直木賞・本屋大賞」に関する中田の解説や指摘が、どれほどいい加減なのかご紹介したい。

 動画で中田はどんな解説を行ったのか、ポイントを箇条書きでまとめた。もちろん間違いがあっても、そのまま掲載した。

【1】本屋大賞は、芥川賞と直木賞に対する書店の不満から設立された。

【2】芥川・直木賞は書店の味方というイメージがある。又吉直樹(40)の芥川賞受賞作『火花』(文春文庫)も、芥川賞を受賞したことで売れたはずだ。

芥川・直木賞の主催は雑誌!?
【3】だが、芥川・直木賞の受賞作が発表されてから書店へ行くと、「まだ単行本は出版されていません」と言われることが多い。

【4】芥川・直木賞は書籍の売上げ増加を目的としていない。「文藝春秋」や「新潮」、「すばる」といった文芸誌を売るために開催されている。

【5】受賞のニュースを見て本屋で「『火花』はどれですか?」と聞くと、「『火花』の単行本は出ていません、『文藝春秋』を買ってください」と言われた記憶はないだろうか。

【6】「文藝春秋」は買えても、単行本は買えない。これで抗議が書店に殺到する。芥川・直木賞で書店が利益を得られないのは、両賞を主催しているのは《雑誌》だからだ。

【7】本屋大賞は書店で既に売られている単行本から選ばれる。ただし、本屋大賞は書店員全員が選ぶというイメージがあるが、選考委員の数は300人に過ぎない。

【8】本屋大賞は「売れている本を売る」賞。ベストセラーのランキングに載るような本で、在庫があるものを選び、本屋大賞の大賞から10位までのベスト10として発表する。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/396fcbecfcbeaf1f46dca38e609fc3021c003cb1?page=2
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