【シリコンバレー=佐藤浩実】米マイクロソフトは21日、人気ゲーム「Fallout(フォールアウト)」や「DOOM」を手掛ける米ベセスダ・ソフトワークスの親会社を75億ドル(約7800億円)で買収すると発表した。有力作品を持つ開発会社を傘下に収め、定額制の遊び放題サービスなどゲーム事業を強化する。2021年前半の買収完了をめざす。

ベセスダの親会社で非上場の米ゼニマックスメディア(メリーランド州)を買収する。同社の従業員は約2300人で、買収後も創業者のロバート・アルトマン最高経営責任者(CEO)らが経営を続ける。75億ドルは現金で払う。

「フォールアウト」は核戦争後の終末世界を舞台にしたロールプレイングゲームで、1997年の発売以降シリーズ展開を重ねる人気作品だ。「DOOM」は一人称視点の射撃ゲームの代表作。マイクロソフトはゲーム機「Xbox」などで100以上のゲームを遊べる定額制サービス「ゲームパス」に力を入れており、フォールアウトなども品ぞろえに加える。

マイクロソフトのサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)は声明で「質の高い差異化されたコンテンツがゲームパスの成長と価値を支える」と述べた。

マイクロソフトは近年、中小規模のゲーム開発会社の買収を重ねてきた。ゲーム関連の買収ではこれまで「マインクラフト」を手掛けるスウェーデンのモヤンを14年に25億ドルで買収したのが最大だった。今回のベセスダ親会社の買収額はモヤンを上回り、過去最大の規模となる。

マイクロソフトは11月に「Xbox」の新型機を発売する計画で、ソニーが7年ぶりに大幅刷新する「プレイステーション(PS)5」との真っ向勝負となる。ただゲーム業界ではクラウドを利用することで、ゲーム機がなくても高品質なゲームを遊びやすくしようとする動きが盛んだ。マイクロソフトも9月に一部の国でクラウドゲームのサービスを始めており、今回の買収はサービス強化への布石となる。

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