大坂なおみ選手がテニスの4大大会の一つ「全米オープン」で黒人への人種差別に抗議するため、警察官らによる暴力の犠牲になった被害者の名前を記した7枚のマスクを用意し、プレーしながら世の中に問題提起したことは日本では賛否両論あるようですが、ここアメリカでは多くの人が賞賛しています。有言実行で7枚目のマスクを着用して優勝した大坂選手は、優勝後のESPNのインタビューで「どんなメッセージを伝えたかったのか」と問われ、「あなたはどんなメッセージを受け取ったの?」と逆質問。この動画はSNSで拡散され、多くの人がその答えを自らが考える結果へと導きました。

「7枚のマスクでは多くの犠牲者の名前をつづるのに足りないのが残念」と語っていた大坂選手ですが、今回大坂選手が名前を刻んだ7人の犠牲者についてまずは簡単に紹介したいと思います。

1回戦:プレオナ・テイラーさん 今年3月にテキサス州の自宅で恋人と就寝中だった深夜に麻薬事件の捜査で自宅を訪れた警察官によって射殺。恋人が突然の侵入に驚いて自己防衛のために先に発砲したことが原因と言われていますが、警察官がやみくもに発砲した銃弾数発が命中し、後に2人は事件とは無関係だったことが分かっています。

2回戦:エライジャ・マクレーンさん 2019年8月にコロラド州の路上で不審者として警察官に呼び止められた際に違法行為はしていないと訴えたことが抵抗とみなされ、地面に倒されて頸動脈を押さえつけられたことが原因で心肺停止に。

3回戦:アマッド・アーバリーさん 今年2月にジョージア州で近所をジョギング中に口論になった白人の親子によって撃たれて殺害された事件は、容疑者の父親が昨年引退した元警察官だったことから事件後2カ月間も逮捕されず抗議運動に発展。

4回戦:トレボン・マーティンさん 12年に自警団に所属するヒスパニック系白人に当時17歳だった丸腰の高校生が胸を撃たれて死亡。裁判で正当防衛が認められて無罪評決が下り、抗議運動へと発展。

準々決勝:ジョージ・フロイドさん ブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が世界中に広がるきっかけとなった今年5月にテキサス州で起きた白人警察官による殺人事件。「息ができない」と訴える中、8分以上に渡って膝で首を押さえつけられての窒息死でした。

準決勝:フィランド・カスティールさん 16年7月にミネソタ州で運転中にライトがついていないことを理由に停止を命じられた際に、銃を所持していることを告げられた警察官が身の危険を感じて発砲。同乗していた女性は銃は取り出していないと証言し、車内には4歳の子供も乗っていたが、発砲した警察官は裁判で無罪となりました。

決勝戦:タミル・ライスさん 市内の公園で模造銃で遊んでいた12歳の少年が通報で駆けつけた白人警察官によって射殺。現場に到着した直後に発砲する様子を捉えた監視カメラの映像が公開され、BLMの象徴的存在となっています。

スポーツ選手や芸能人が政治的な発言をすることへの批判がありますが、ここハリウッドでは大坂選手同様に自らの知名度や影響力を利用して世間にBLM問題を訴えるセレブはたくさんいます。ブラッド・ピットは6月にハリウッドで行われた約5万人もの人が参加したBLM抗議デモにバイクに乗って参加し、胸に前月に亡くなったフロイドさんの名前がプリントされたパーカーを着用していました。また、同じデモにはジェニファー・ロペスと婚約者の元ニューヨーク・ヤンキースの主砲アレック・ロドリゲスも参加していた他、アリアナ・グランデやマイケル・ジャクソンさんの長女パリス・ジャクソン、ビリー・アイリッシュやカーラ・デルヴィーニュら若者に人気のセレブたちも一般人に混ざってデモ行進で抗議の声をあげています。

全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/e631b62f65fdede41b093e146aab321d8d61b12d
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