[ 2020年6月2日 06:20 ]

元AKB48・渡辺麻友 芸能界引退を発表 ( 2020年6月1日 )

 【記者の目】実は想像のできる結末だった。渡辺はAKBの歴代1000人以上のメンバーの中で、最も完璧主義者だった。自分のノースキャンダルは当たり前。同僚がスキャンダルを起こせば、たとえ仲良しでも半年間は距離を置くほど徹底していた。

 卒業後の初ソロ仕事。舞台「アメリ」の観劇後に称賛すると「本物のミュージカル女優には足元にも及ばず、毎日自分に絶望です」と、真顔で返された。18歳で音楽番組にソロで生出演したときには、1時間以上も前から、楽屋の壁に向かって声の調整をし続けていた。

 燃え尽き症候群との情報もある。ルールの下で自分を律して走り続ける方が生きやすかったのか。総選挙1位のような明確な頂がある方が頑張れたのか。

 12歳から回遊魚として生きてきた半生と強烈なプロ意識ゆえに、ソロになって得た余裕をうまく消化できなかった気がしてならない。ただし、メンバーとも食事にも行かず、芸能界に交友関係をつくらなかっただけに全ては推測の域を出ない。

 もしも、大切な男性がいて、その私生活を何よりも大切にしたいなら…。所属先にも真相を明かさず人目につかない海外で生活をしていても不思議ではない。そんな神秘性といちずさと実行力を備えていた。あの文春砲ですら、何年追い続けても撮れなかったのが渡辺だ。

 今はただ、寸分違わぬ髪形のために、何時間も鏡の前で前髪を整えていた姿が、脳裏から離れない。(瀬津 真也)

https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/06/02/kiji/20200602s00041000049000c.html