2012年に華々しく一軍デビューを飾った若きスラッガーも今季でプロ11年目を迎える。毎年のように周囲から期待をされながらも、結果を残せず悔しいシーズンが続いた。今季は悔しさを晴らすべく、オープン戦を含めた実戦ではバットで結果を残し続けてきた。勝負を懸けたシーズン開幕は見えないが、背番号7は静かに闘志を燃やしている。

― 今季でプロ11年目を迎えますが、どのような意気込みですか?

「毎年そうなのですが『もうチャンスも多くない』という思いがあるので『とにかくアピールするだけだ』という気持ちです。毎年そういうことを言っているんですけど、新監督になったというタイミングでもありますし、チャンスをつかむのは今季が本当にラストだと思って、これが良いきっかけになればと思っています」

― キャンプでの実戦形式の打撃、さらにオープン戦や練習試合では打撃で結果を残すなど好アピールが続きました。

「いつも『最初だけ』と言われてきていますが……今季も現時点では順調に来ていると思いますし、その中で課題もはっきりしています。悪いところも少しずつ直していかなければ試合にも出れませんので、良い部分も伸ばしながら、そういう悪い部分も少しずつ改善していきたいですね」

― 好調をキープするにあたり、何かきっかけがあったのでしょうか?

「沖縄でロッテとの練習試合後に特打が入っていたんですが、その日取材に来られていた新井(貴浩)さんがゲージの裏に来ていて、感覚が良くなかったのでそこで話をさせてもらったのがきっかけですね」

― 具体的にどのようなアドバイスがあったのですか?

「『ちょっと体が速く開くんですよね』と相談して、『バットの角度をギリギリまでキープして最後に回転すること。そこをもう少し意識してみろ』と言われたんです。すぐにその練習の時からやってみるとちょっと感覚が良くなってきました。翌日阪神との練習試合があって結果も出て、自分でも感覚が良くて状態が上がっていきましたね」

― 新井氏からのアドバイスは今でも継続しているのでしょうか?

「そうですね。少しでも悪くなったらそこに戻って極端に意識して練習しています。『悪くなったときほど極端にやれ』とも助言をいただいているので、今はこういう期間なので特に意識しています」

― 立ち還る場所があるというのは、これまでと違う部分になるのでしょうか?

「今まではあっちに行ったり、こっちに行ったりだったんですけど、今は悪くなったら戻れるところがあるので、自分の中では大きいと思います」

― そんな中で現状での打撃で良い部分、課題をどのように感じていますか?

「打撃の長所は真っすぐに対してしっかり振っていける部分だと思っています。そういう意味では実戦で真っすぐに対してはしっかり結果を残せていました。逆に自分の課題というのは右投手に対しての変化球です。今季に入ってからの実戦では比較的ボール球にはバットが止まる回数が増えてきましたが、甘い変化球、カウントを取りにくる変化球にもバットが止まってしまっているので、それらを少しでも振っていければヒットが増えていくと思います」

5/19(火) 5:00
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