日本にはこれ以上現金給付する余力が無い 明石順平さん(35)弁護士

一律10万円給付だけではとても足りない。ただ、配る余力は、本当は国にはありません。
 もともと、日本の財政は危機的でした。集中治療室に入っていたら、その中で別の病気にかかっちゃった、みたいな。
財政再建というより、「財政延命」していたに過ぎません。
 10万円給付しても、きっと「足りないからもっと配れ」となります。しかし、給付は財政への信用を低下させ、
円安インフレの要因になり得る。給付を繰り返すとインフレスパイラルにはまる可能性もあります。

 賃金の8割を支給するイギリスなどにはできて、なぜ日本にできないのか。政府総債務残高の対GDP比がその明白な理由です。
多くの国は100%未満ですが、日本は約240%で世界ダントツ1位。財政の持続可能性が、異次元に悪いですから。
 新型コロナによる経済への影響は「人類の歴史上、最悪の事態」です。このあと世界的に金融危機も国家債務危機も起きる。
でもまだ始まりに過ぎません。

 日本では通貨崩壊と食料危機の発生もあり得る。真っ暗ですね、私の見通しは。でも、きっと現実はもっと暗い。

 いま「ウケる」のは安心に訴える話。みんなそれに飛びついちゃう。でも私はウソはつけません。
間違った明るい希望を持つよりも、歴史上最悪であることをしっかりと自覚する。
いまは一筋の光さえ見えませんが、まずはその認識から、です。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200501-00000007-sasahi-soci