巨人が4月1日付で行った“異例の時期”の人事異動に、チーム内は震え上がっているという。

「スカウト部長の長谷川国利氏(57)が、編成本部付部長へと配置換えになりました。事実上の更迭です」(スポーツ紙記者)

長谷川氏は東海大相模―東海大卒業で、原辰徳監督(61)の直系の後輩。2018年オフの原監督の現場復帰に伴い、査定担当からスカウト部長に昇進していた。

「原監督の甥っ子でもある菅野智之投手が、11年のドラフトで日本ハム入りを拒否して東海大で浪人していた時も、当時スカウト課長の長谷川さんが世話を焼いていた。
今の巨人コーチの後藤孝志さんを東海大野球部に臨時コーチの肩書で送り込んだりしてね。アマチュア球界の裏も表も知り尽くした人物です」(同前)

そんな“腹心”がなぜ、更迭の憂き目となったのか。

「近年のドラフト上位が、ことごとくケガで戦力になっていない状況に、原監督がいら立ちを爆発させたともっぱらです」とはスポーツ紙デスク。

「特に昨年のドラフトでは、即戦力の投手を1人も獲れなかった。ドラフト2位の太田龍投手(JR東日本)は右肩を痛めていたのが分かっていながら、原監督了解のもと、素質込みで指名したんですが……」(同前)

案の定、太田は1月の自主トレ期間中から右肩の不調を訴え、実戦デビューは3月中旬まで遅れた。

「原監督は投球を見て『社会人(出身)なんだから、あれくらいは2月1日に投げていてくれよ』と失望交じりに冷たく言い放っていた」(前出・スポーツ紙記者)

原監督の「堪忍袋の緒が切れた」理由

将来性を買って青森山田高から1位指名した堀田賢慎投手も右肘の故障が判明。靱帯再建手術を受けることになり、「監督の堪忍袋の緒が切れた」(同前)。

前政権時代のドラ1指名は12年の菅野、13年の小林誠司捕手、14年の岡本和真内野手と主戦力として成長。だが、自身の降板以降は桜井俊貴投手、吉川尚輝内野手、鍬原拓也投手とみんな伸び悩んでいる。

「他球団のルーキーの明るい話題を聞くたび、原さんは『ウチのスカウトは何をやってんだよ』と、ため息交じりに周囲にこぼすのがお決まりになっていました」(前出・スポーツ紙デスク)

だが、巨人関係者はドラフトの舞台裏をこう明かす。

「昨年は次期監督候補の阿部慎之助二軍監督のために、“素材型中心”で行こうと6人中5人を高校生で固めました。
原監督も承知の上だったはずですが、国内FAで楽天の美馬学やロッテの鈴木大地など、即戦力の選手が思うように獲れなかったのが計算外でしたね」

開幕が延びた分、若手の成長に期待したいところだ。

「週刊文春」編集部/週刊文春 2020年4月16日号

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200414-00037142-bunshun-spo
4/14(火) 11:00配信