「みんなをヒリヒリさせたい」
明日への想いをヒーローの生き方に重ねるニューシングル
『さよならの今日に』
インタビュー&テキスト / 金子厚武
https://www.aimyong.net/feature/sayonaranokyouni

あいみょん - さよならの今日に【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
https://www.youtube.com/watch?v=C1yP_GQ9s4E


※抜粋

“さよならの今日に”はギターを軸にアレンジされた、マイナー調のフォーク/ブルース・ロック。渋谷駅桜丘口地区の再開発エリアを舞台に撮影されたミュージックビデオや、鋭い眼光を全面にフィーチャーしたアートワークも含め、決してただポップなだけではない、あいみょんが持っているエッジーな側面を改めて伝える仕上がりとなっている。

あいみょん:ギターがジャキジャキしたロックっぽい感じがいいなっていうのは最初から考えてました。「さよなら」がテーマだから、最後はフェイドアウトにして消えていく感じにしたり、ストリングスに関してもいろいろ注文させてもらって、レコーディングはめっちゃ楽しかったです。わりと温度感がずっと低めで、その感じもいいなって。

<切り捨てた何かで今があるなら/「もう一度」だなんて/そんな我儘 言わないでおくけどな/それでもどこかで今も求めているものがある>というサビの歌詞からは、ニュースで切り取られる「今日」に簡単にはさよならを言うことができずに、どうしても過去に捉われてしまう心情が浮かぶ。

あいみょん:私たちは日々何かを切り捨てて生きてるじゃないですか?同時に誰かからご飯に誘われて、片方を断った結果、鬼つまんない方に行っちゃって、「あっちを選んでたらどうなったかな?」とか思うのって、「選んだの自分自身じゃん」ってわかりつつ、それでも「もう一回あの分かれ道に戻れたらな」と思ってしまう。同じように「音楽の道を選んでなかったら、どうなってたかな?」って思ったときに、自分が憧れてたロックスターとか、かっこいい人たちだったら、どういう選択をしてたのかなって……メジャーデビューから3年経って、「これでいいのかな?」って思ったりすることもあるし、みんな明日をどうやって生きようと思ってるんやろうなって。

<不滅のロックスター/永遠のキングは/明日をどう生きただろうか><伝説のプロボクサー/謎に満ちたあいつは/明日をどう乗り越えたかな>という印象的なラインは、「思うがままに書いたらこうなった」とのことだが、あいみょんがかねてより「憧れ」と公言するアーティストからの影響が反映されているようだ。

あいみょん:「永遠のキング」は私の中ではマイケル・ジャクソンで、「謎に満ちたあいつ」はうっすら尾崎豊なんですけど、「不滅のロックスター」は特に誰っていうのはないです。「伝説のプロボクサー」も、プロボクサーってヒーローっぽいから書いただけで、特に誰っていうのはなくて。ただ、私浜省が好きだから、浜省の“I am a father”に<チャンピオンじゃない><ロックスターでもない>って出てきて、そういう語呂が好きなんやろうなって(笑)。

浜田省吾の“I am a father”では<TVニュース観るたびに/子供たちが巻き込まれた事件><明日は今日よりも/良い日になることを信じてる>と歌われていて、「一日の終わりに放送されるニュース番組」という題材から、自然とこの曲を連想していたのかもしれない。ちなみに、「明日」というキーワードから、「<伝説のプロボクサー>は矢吹丈(『あしたのジョー』の主人公)なのでは?」という指摘には、「全く意識してなかった」という。

あいみょん:ミュージックビデオの最後で椅子に座ってるのも『あしたのジョー』を意識したわけじゃなくて、私の中ではホアキン・フェニックスだったんですよ(笑)。まあ、どっかヒリヒリしてたいんでしょうね。みんなに緊張感を与えたい。ボクシングも、ヒリヒリするじゃないですか?自分もみんなをヒリヒリさせたいし、何かざわつく感じを与えたい。鳥肌が立つ、涙が出る、モヤモヤする……何でもいいから、聴く人の中に何か変化があればそれでいいんです。

(以下略、全文は引用元サイトをご覧ください。)