「本来ならキャンプ終了までやると聞いていた」

某球団の関係者がこう言うのは、阪神で2月16日まで臨時投手コーチを務めた中日OBの山本昌氏(54)のことだ。

昨秋キャンプから臨時コーチとして投手陣を指導。特に、不振に悩む藤浪には手首を立て、球のバラつきを抑えるフォームを伝授するなど、手取り足取りで再生に取り組んだ。

「山本さんは、個々の選手の特徴を予習してキャンプに臨んだ。一軍の宜野座(沖縄)に限らず、二軍の安芸(高知)でも新人選手に野球論を講義するなど、熱心に駆けずり回っていた。今後も『何かあれば』と指導に意欲を燃やしていましたが、球団の方から、山本さんに対し、“途中降板”が通達されたそうです」

とは、冒頭の関係者だ。

■まるでチーフコーチ

阪神のために心血を注いだレジェンドは、なぜ任期途中で“マウンド”を降りることになったのか。阪神OBが言う。

「かなり張り切っていたようだけど、チーム周辺からは意外な評判が聞こえてきた。『コーチとの連携も取らず、好き勝手やっている』なんてね。実際、本職の福原、金村両コーチが年下ということもあり、山本さんがチーフコーチのような形になっていた。投手が打撃投手に登板するためメイン球場に両コーチが向かい、ブルペンには山本さんしかいないというケースもあり、一部の選手からは戸惑いの声も出ていた。もちろん、横の連携は取っていたはずですが、基本的に山本さんは、どんどん選手にアドバイスを送る。フォームはもちろん、変化球の握りにまで言及する。中には、指導がマッチしない選手もいたが、選手もコーチも、レジェンドに対してノーとは言えない。そうした状況を考慮し、途中降板することになったといいます」

阪神では今季から矢野監督の肝いりで井上打撃コーチが入閣。山本臨時コーチの招聘と合わせ、阪神周辺では中日化を危惧する声が出ていた。

「阪神OBのやっかみに聞こえなくもないが、そもそも藤浪再生を兼ねて山本さんの招聘を決めたのは阪神の方です。いくら周囲がガヤガヤ言うからといって、きちんとフォローせず、お役御免と言わんばかりに途中終了させるのは、いかにも事なかれ主義の阪神らしい」

とは、前出の他球団関係者。ごもっとも……。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200229-00000025-nkgendai-base
2/29(土) 12:00配信