2/29(土) 6:00配信 スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200229-02280260-sph-base

 新型コロナウイルスの感染拡大は、第92回センバツ高校野球大会(3月19日から13日間、甲子園)にも深い影を落としている。政府が大規模イベント自粛の方針を示したため、開催自体が不透明。3月2日から春休みまでの臨時休校要請も加わり、選手の活動にも影響が出てきた。安倍晋三首相の呼びかけから一夜明けた28日、出場する32校の関係者は対応に追われた。なお、この日からセンバツ大会のチケットが発売された。

 甲子園という夢の舞台に向けて、選手にはしっかりと準備をさせてあげたい。一方で、健康を最優先に考えることが求められている。臨時休校の要請を受けての各校の様々な対応に、関係者の苦悩が表れていた。

 休校イコール、基本的には部活動も停止。文部科学省も部活の自粛をこの日、要請した。公立校の県岐阜商は、校長が3月2日からの休校と部活動を禁止することを命じた。「感染の拡大を防ぐための措置として受け止めている。高野連(日本高等学校野球連盟)からの連絡もない段階で、こちらで勝手に判断はできない」と関係者は話す。一方、同じく公立で21世紀枠として初出場を決めた帯広農(北海道)は、同3日から臨時休校とするものの、全国大会を控える野球部は、外部との接触を避けながらの練習を認めた。

 休校しても、全国大会に出場する部は練習OKという形を取るのは、ほかに日本航空石川、明徳義塾(高知)など。白樺学園(北海道)は「集団練習を極力避ける」、東海大相模(神奈川)は「規模を縮小して寮生のみで」という条件のもと活動する。ただ、そのような学校でも、合宿や3月8日に解禁される練習試合の予定はキャンセルになっており、調整に狂いが生じるのは間違いない。

 対照的に「授業、部活ともに通常通り」なのが国士舘(東京)。天理(奈良)も「今のところは予定通り」。21世紀枠で初めて出場する県立校の平田(島根)は「県で休校の決定はなく、15日の練習試合は中止にするも予定通り」としている。

 現時点での大きな流れは活動の規制。しかし、3月4日に開かれるセンバツの運営委員会で示される内容によっては、正常化に向かう可能性もある。「2〜4日は練習を休み、その後は運営委員会の判断による」という仙台育英(宮城)など、いくつもの学校が動向に関心を寄せる。

 前出の県岐阜商OBで、就任からわずか2年で母校を5年ぶりのセンバツに導いた鍛治舎巧監督(68)は、現実と向き合いつつ静かに語った。「我々が判断することではなく、冷静に受け止めるしかない。それでも、4日に何らかの方向性が示されれば、再考することになるかもしれない」。出場校の今後を大きく左右するであろう「3・4」。どのような判断が下されるか注目したい。(浜木 俊介)