――格闘技の試合にしても、YouTubeの動画製作にしても、朝倉選手は目標達成のために必要なものを見極めて、着実にこなしていく。
その過程を見てみたい気もします。

朝倉 僕は努力をしている姿を見せるのは好きじゃない。
練習でも、「これだけやって疲れた」とかってSNSに上げている選手が多いんですけど、何がしたいのかなと思いますね。
僕らが評価される場所は試合がすべて。試合で勝つヤツが評価されるし、稼ぐ。
どれだけ練習したかでファイトマネーが決まるわけじゃない。結果がすべてなので、過程を見せる必要はないかなと。

――格闘技に限らず、人生の目標はなんですか?

朝倉 なんでしょうね。30歳までに年収1億円っていうのは、20歳のときから考えていましたけど、今のまま行けば達成できそうなので。
それと、30歳までに格闘技を辞めるっていうのも、プロになったときに決めたんですけど、それ以降のことはふわっといろいろと考えていますね。
人生ずっとやりがいのあることに挑戦していたい。お金だけあってやりたいことがないのってつまらないですから。
人生いつでも勉強はできると思うので、この先、何かやりたいことが他に見つかったら、その道で成功できる自信もありますね。

――ここまで話を聞いてきて、朝倉選手は独自の美学を持っている気がしました。

朝倉 僕は、自分を客観視することをすごく重要だと思っていて。

――カッコ悪いことはしないとか、案外シンプルですよね。

朝倉 そうだと思います。だから、あまりブレないですし。人の意見を聞き入れることはするけど、流されず、最終的には自分で判断していますし。

――しかも、正しい道を見極める能力が高そうですね。

朝倉 それはよく言われます。未来(みらい)から来たの?って。選択のセンスが良くて(笑)。

――逆に、これ失敗したなって思うことは最近ありましたか?

朝倉 ないですね。というか、そこ(失敗)で止まらないんですよ。何か不測の事態が起きたとしても、すぐに策を立てて動いていくのでイライラすることもないし。

――失敗を失敗で終わらせず、いかに修正するかを考えると。

朝倉 そう。それが得意なのかもしれない。だから、失敗のまま終わることがないんです。

●朝倉未来(あさくら・みくる) 1992年生まれ、愛知県豊橋市出身。177cm、66kg。
中学・高校時代は、刺激と強者を求めてケンカに明け暮れる日々を過ごす。
あまりの強さに地元では敵無し状態に。プロ格闘家デビューは2012年。以降12勝1敗1無効試合の戦績を誇る。
2月22日には浜松アリーナでの「RIZIN.21」でダニエル・サラス戦(68kg契約)が決定!