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レスリング女子で五輪4連覇を成し遂げた伊調馨(35)=ALSOK=の東京五輪出場の可能性が、完全に消滅した。伊調は世界選手権出場を逃して自力での57キロ級五輪代表決定がなくなった後、マットでの本格的な練習を行っていなかったという。世界選手権で川井梨紗子(25)=ジャパンビバレッジ=が五輪代表を決めた後には「選手・指導者としてレスリングの発展に力を尽くしていきたい」との声明を発表。去就を明確にはしなかったが、前人未到の五輪5連覇という大きな目標を失い、このまま第一線から退く可能性も否定できない。

 伊調が練習拠点とする日体大レスリング部の関係者によると、今年7月に世界選手権代表決定プレーオフで川井梨に敗れて以降、自身の練習は軽く行う程度。主に学生たちの指導に当たっていた。川井梨が世界選手権で五輪切符をつかめない可能性もゼロではなかったが、プレーオフ敗戦の段階で五輪への挑戦に区切りをつけていたとの見方もできる。

 もともと2013年世界選手権までは63キロ級を主戦場としており、階級を変えて五輪を目指す道も残されていたが、「57キロ級で(東京五輪を)目指すと決めたから、それはないと思う」と否定的だった。さらに世界選手権で57キロ級の1つ上の53キロ級と1つ下の62キロ級も五輪代表が決まったことで、階級変更は現実的ではなくなっていた。

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