「絶対勝つと信じてた」

スタンドの誰もが笑い、そして泣いていた。
24日、サッカーの全国地域チャンピオンズリーグで宿願のJFL(日本フットボールリーグ)昇格を果たした高知ユナイテッドSC(高知U)。
高知サッカー界の新たな幕開けに、サポーターは「待ちに待った昇格。涙が出る」。歓喜に沸いた。
 
福島県楢葉町のJヴィレッジスタジアム。日本代表も合宿するこの場所が、JFL昇格を懸けて争う舞台となった。
高知から遠く離れたこの地に、数十人のサポーターが駆けつけた。全3試合を見届けたのは山本志穂美さん(54)=高知市。
「今年はチームが一つになっていくのをずーっと感じていた。初戦に負けても、絶対に残りは勝つと信じていた。
今日戦った選手はもちろん、これまでチームに関わってくれた選手全員にありがとうと伝えたい」と目を赤くした。
 
秋田、広島、宮崎…。高知以外にも、全国から選手の家族が駆けつけた。
昇格を決定づける3点目を挙げたMF田口遼選手(24)の母、友美さん(47)=和歌山市=は
「試合前にLINE(ライン)を送ったらいつもの返事だったけど、試合が終わったら一番に抱きついてきて
『やったで! どうや!』って。本当に、一番の親孝行をしてくれました」。感無量の様子だった。
 
第2節福井ユナイテッド戦、第3節おこしやす京都戦では、第1節で戦ったいわきFCのサポーターが、
「(かつていわきに所属した)新田(己裕)、山下(宏輝)がいるチームを応援しよう」と臨時応援団に。
高知Uサポーターとともに応援歌を歌い、ホームのような雰囲気をつくりだしてくれた。
 
2001年、得失点差1で昇格を逃した南国高知FCの主力だった高知西高校の寺尾拓教諭(43)は
「18年前、目の前にあったのにつかめなかった夢を、こんなにも感動する展開でつかんでくれた。
高知Uがともしてくれたサッカーの灯が消えないように、みんなで守っていきます」。
 
高知県勢未到のJFLへ。
南国高知FC結成から数えれば20年、高知Uからでも4年に及ぶ挑戦がようやく実を結び、新たなステージに臨む。

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高知ユナイテッドSC
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