フィギュアスケート男子で10年バンクーバー五輪代表の織田信成氏(32)が18日、大阪市内で会見し、陰口などのモラル・ハラスメントを受け体調を崩し関大アイススケート部の監督辞任に追い込まれたとして、
同部の浜田美栄コーチ(60)に1100万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴したことを発表した。「リンク内外で恐怖心を感じた」と涙ながらに胸中を吐露。一方、関大は提訴の内容を把握していないとして
「コメントは差し控えます」とした。

 ハンカチで鼻を何度も押さえながら、織田氏は41分間にわたり、涙ながらに思いを打ち明けた。監督就任前の2017年2月から約2年9か月、浜田氏からモラハラ行為を受けていたと主張。同年4月に監督に就任したが、
精神的苦痛で辞任せざるを得なくなったことへの慰謝料を請求した。「(リンク)内外を問わず恐怖心を感じた。なぜあのようなことをされたのか、明らかにしたい」と訴えた。

 発端は17年2月。織田氏は選手に危険が及ぶ練習法だと感じ、浜田氏に意見した。すると「あんたの考えは間違っている」と激高。その後、無視や陰口、悪いうわさを流される、近づくと露骨に嫌がるなど、
モラハラ行為が続いたという。

 徐々にエスカレートし、織田氏は今年の2〜3月頃から動悸(どうき)、めまい、吐き気、頭痛など体調に影響が出始め、3月下旬には39度の熱が数日続き8日間、入院した。電話で浜田氏に「あなたのせいで僕はリンクに
行けなくなった」と訴えると、「へ〜」と返され、謝罪の言葉はなかったという。

 織田氏は、五輪代表など国内トップ選手を育ててきた浜田氏を「素晴らしい指導で素晴らしい成果」と語った一方で「関大リンク内では一番発言力がある。他の人も(モラハラを)感じていると思う」と指摘した。

 織田氏は監督として約2年間、指導してきた選手について問われると「健全な環境で頑張ってほしい」と話し、言葉を詰まらせた。13年に現役引退後、「指導者として活躍したい思いだったので、こうなったのは残念」と
声を震わせ「今のところは(指導者として関大に)戻る可能性は低い」と語った。

 会見後にはブログを更新。「向けられる敵意に恐怖を感じていました」などと改めて思いをつづった。織田氏は関大にも再調査と救済の申し立てを行った。

スポーツ報知
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191119-11180299-sph-spo