巨人が秋季キャンプを張る宮崎に、4年ぶりに“剛腕”が帰ってきた。15年春季キャンプで使用されていた、剛速球を投げ込む打撃マシンだ。
当時は160キロと言われていたが、今回登場した新型はさらにパワーアップ。
岡本が「200キロくらい出ていた」と証言したように、異次元のスピードボールに野手陣は大苦戦だった。
150キロ台後半の球を投げ込む投手が増える中、力で負けない攻撃陣を作り上げる。

打撃マシンのアームが振れた次の瞬間、ボールは打者の懐を通過していた。
前に飛ばすどころか、空振りが当たり前。
各打者が勇んでモンスターマシンの攻略に挑むも、打球はなかなか打撃ケージの外にすら出なかった。
4番の岡本も例外ではなく、「200キロくらい出ていました」と苦笑いを浮かべた。

球速200キロとは仰天の証言だが、あながち大げさでもないようだ。
打撃自慢で“ダイナマイト慎吾”の異名を取る石川は「最強ピッチャーですよ。あんなピッチャーいない。
エスコバー(DeNA)で160キロですよね。
あんなもんじゃなかった」と目を白黒。日本シリーズで打率3割と奮闘した田中俊も「すごいボールでした。
なかなかバットに当たりませんでした」とうなだれた。

超高速マシンは、15年春の宮崎キャンプでも使われていた。
14年シーズンはリーグ優勝したものの、
打撃陣が奮わず、原監督の「巨人打線は速い球を簡単に打つぞ、となりたい」という号令のもと、貧打脱却の切り札として取り入れられた。
当時は160キロの設定で打ち返す打者も多くいたが、さらにパワーアップして4年ぶりに宮崎に登場した。

この日は原監督が所用で宮崎を離れていたため、元木ヘッドコーチが指揮を執った。
“200キロマシン”のほか、中速のマシン、打撃投手による変化球と、球速の異なる3か所でフリー打撃を実施。
超速マシン攻略のためには速く鋭いスイングでいかに出力するかが鍵になるが、元木ヘッドは加えて
「どんなボールが来ても自分のバランスで打てるようにしておかないとだめ」と、緩急をつけた意図を明かした。

初日はお手上げだったが、岡本は「慣れれば大丈夫だと思います」と攻略に自信を見せ、
田中俊も「力むとバットが(体から)離れる。どうやって自分のスイングで捉えるか」とリベンジに燃えた。(尾形 圭亮)

◆5年前の高速マシン 巨人は14年秋季キャンプ、15年春季キャンプでマシンを150キロ超に設定。
「体感160キロ」で、コンパクトにバットを出すスイングの習得が狙いだった。

◆巨人が苦しめられた速球派 ソフトバンクの千賀は150キロ台後半の直球に加え、フォークなど変化球の精度も一級品。
交流戦、日本シリーズと2連敗を喫した。同一リーグでは、阪神・藤川の「火の球ストレート」に苦戦。
今季の巨人戦は10試合で防御率0・00と完敗だった。
同じく阪神のドリスにも9試合で防御率0.00。中日のR・マルティネス(1勝1S1ホールド、防御率2・25)
、ロドリゲス(1勝2敗7ホールド、防御率1・69)の剛腕助っ人コンビにも沈黙。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191112-00000281-sph-base
11/13(水) 6:05配信