「文字だけで伝わるから新聞との親和性はいい」

◆スポーツ新聞は消滅寸前? 僕が見た内部事情

プロ野球なんて今ではほとんど見向きもされないコンテンツであるが、相変わらず
プロ野球におんぶに抱っこの紙面作り。

プロ野球のキャンプインの2月1日付けの紙面で「日刊スポーツでは30人以上の
記者やカメラをキャンプ地に送り、大々的に報じます」みたいな特集を組んでいた。

ただでさえ人気のないプロ野球、しかも試合ですらない練習の情報なんて
誰がほしいと思うだろうか。

「誰も興味を持たない情報を送るために30人からの人を沖縄などに送って、
どうするの?」と思っていたが、案の定、売り上げは下がる一方である。

そんな状況なので、僕は日刊スポーツにいる頃から自分の会社の新聞を含め
スポーツ新聞はほとんど読まなかった。

プロ野球の誰がホームランを打ったとか、完封したとか、ペナントレースに
興味がないから、個人記録に興味があるわけがない。
多くの国民も気持ちは同じだろう


そんな紙面を作っているから、売上も右肩下がりなのは頷ける。
毎年、新入社員が3人ほど入ってきていたが、誰一人として新聞を定期購読している
者はいない。そして若い社員はよく辞めていった。残っているのは40代、50代ばかり。
若者の感性など理解できないおじさん、おばさんが日々の紙面をつくっている。
僕のような早期退職制度を利用して辞めていく者は年に10人ぐらいいて、足りない
分は派遣社員や、60歳で定年になった社員を再雇用してまかなっていると聞く。

おそらくスポーツ新聞はこの先、単独では生き残れないと思う。