「ふてぶてしい人たち」
 7年振りの日本一を目指していた巨人。その戦いの最中に足を引っ張るスキャンダル。実際、鈴木の妻に、一連の写真を見せると、一瞬、絶句した後、

「気持ち悪いですよね……」

 と言う。

「一番初めにこの女性だ、と思ったのがその通りだった。昔、主人にこの人について聞いたこともあるんです。
“誰のことですか?”なんて言ってましたけど、結婚式の真似事までやってたんですか。
まだ私たち離婚もしてないのに、何やってるんですかね。これって重婚じゃないんですか? ショックというより、もはや笑うしかありませんよ。
子どもは放ったらかしで、自分は新しい生活をしていたんですね。ふざけるな、と言いたいです。
女も女で、家族がいるんでしょ。気分が悪くなります。どこまでふてぶてしい人たちなんでしょうか」

今後の離婚裁判が紛糾するのは必至である。

では、得意の盗塁に留まらず、人の妻まで盗んでいた当の鈴木はどう反論するか。

携帯に連絡してみると、

「球団に聞いてください」

と言いながらも、

「(不倫は)してませんよ。ウエディング写真? 記憶にないです。ベッドイン写真……。えっとマネージャーにちょっと聞いてみますので、お待ちください」

 明らかに動転している。

「いま仕事中ですので。また後日連絡します」

他方、野原さんの携帯に連絡してみるとこちらも、

「関係はないですけど」

と白を切る。が、写真の中身を説明すると、

「え、そ、そ、そういう写真? え……。ど、どういう写真? えーそれってどういう写真なんでしょうか。
えっと今ちょっとね、今ね、ごめんなさい。とりあえずちょっと私、仕事中なので、えっととりあえず掛け直させてもらいますね」

と電話を切った。もちろん両者から「連絡」「掛け直し」が来ることはなく、後日、弁護士の名前で、写真を「出所不明」と断じた上で、

「『不倫』関係にあったことはございません」(鈴木の代理人)

「過去・現在ともに交際関係にあった、又はあるということはございません」(野原さんの代理人)

と“お揃い”の回答が寄せられてきたのだ。

「巨人軍は紳士たれ」――とは、初代オーナー・正力松太郎の遺訓。しかし、その範たるコーチの一連の騒動を見れば、そんな伝統も今は昔。
まぁ、それもそのはずで、原監督からして女性問題で「反社」に強請(ゆす)られ、1億円を支払った過去を持つ。みんなその背中を見て育っているから、ということか。

「週刊新潮」2019年10月24日号 掲載