ハロウィーンで酒に酔った人たちによるトラブルが渋谷駅周辺で相次いだことを受け、路上での飲酒を禁じる東京都渋谷区の条例が、25日から実施される。

 昨秋は軽トラックが横転させられる事件が起きるなど騒動は年々エスカレート。条例には罰則がなく抑止力は未知数だが、区などは現地での注意喚起に力を入れる。

 条例は6月に制定。ハロウィーンシーズンの10月25〜27、31日の午後6時から翌午前5時(27日は28日午前0時まで)▽年末カウントダウンの大みそかと元日−に、駅周辺の路上や公園での飲酒を禁じる。大音量で音楽を流す、街路灯に登るなどの迷惑行為も対象だ。

 いずれも罰則はなく、期間中は区職員が警視庁と共に協力を呼び掛ける。区は警備費など約1億円を計上。商店街に「NO迷惑行為」などのメッセージが入った看板を掲示するなど対策に乗り出す。

 区担当者は「集まる人々は多くが区外の人」とし、「渋谷のハロウィーン」を楽しむために来る外国人旅行者も多いと説明する。

 一方で条例制定の契機になったのは、ごみのポイ捨てや騒音で悩まされる地元の人々の声だった。渋谷センター商店街振興組合の小野寿幸理事長は「ハロウィーンが注目されるようになったのはここ2、3年。年を追うごとに人が増え、商店街の人たちは我慢の限界だ」と訴え、条例が実施される今年は「混乱を抑える最後のチャンス」と話す。

 長谷部健区長は、渋谷ではハロウィーン翌日にボランティアが清掃をするなど「街にプライドを持つ人もたくさんいる」と説明し、「本音を言えばないほうがいい条例。渋谷のハロウィーンを誇れるものにしてほしい」と強調する。 

10/22(火) 7:10配信
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