プロ野球セ・リーグのクライマックスシリーズ(以下CS)ファイナルステージは、ファーストステージで2位・DeNAを破った3位・阪神が勝ち上がり、
1位・巨人と対戦している。10月9日の初戦(巨人が5対2で勝利)は、日本テレビが生中継した。テレビ局関係者が話す。

「視聴率は7.7%(ビデオリサーチ調べ/関東地区。以下同)でした。今に始まったことではありませんが、日本テレビにとって巨人戦中継は悩みの種です。
19時からの2時間が1ケタに終わった影響もあってか、21時台の『今夜くらべてみました』は6.6%と落ち込みました。視聴率は前番組の影響を大きく受けます。
『今夜くらべてみました』は2ケタを取る日もあるので、かなり下がっている。裏番組では、この日から新たなシリーズがスタートした『相棒』(テレビ朝日系)が
16.7%と好調だったこともありますが、巨人戦の7.7%も響いているでしょう」(以下同)

 巨人戦の低視聴率を引きずったのか、高畑充希主演の22時台の新ドラマ『同期のサクラ』第1話は8.1%に終わった。

「日テレの水曜22時台のドラマで、初回1ケタは昨年1月から3月まで放送された『anone』以来です。ドラマは1話に命運が懸かっているといっても過言ではない。 
8.1%スタートは痛いでしょう」

 かつて毎試合のように視聴率20%を叩き出していた巨人戦も、近年は年に数試合しか放送されていない。地上波だけでなく、衛星放送が登場し、BSやCSで
セパ6試合が生中継される時代に突入したため、巨人戦の視聴率が下がったという意見もある。

「その論理からすると、ポストシーズンはセパ各1試合ずつしかないため、視聴率はもっと上がってもいいはずです。たしかに有料放送のG+でも巨人戦が
放送されていますが、それが地上波と同じくらいの数字を取っていることはないし、地上波の視聴率の1%にも満たないでしょう。シーズン中、日本テレビで
放送された7月31日の巨人対広島は5.1%、8月29日の巨人対広島は6.7%だった。CSの初戦でも、その数字とあまり変わっていない現実をどう受け止めるか」

 巨人がファイナルステージを本拠地・東京ドームで行ない、日本テレビが中継するのは2014年以来5年ぶりだ。その時はどうだったのか。

「対戦相手は阪神で、初戦の視聴率は8.4%でした。今年と同じく2戦目の中継はなく、3戦目は10.4%、4戦目は13.3%でした。この年は阪神が4連勝で
日本シリーズ進出を決めています。日本テレビとすれば、13%に乗ればレギュラー番組に代わって放送した意味がある。10%に届けば、合格ラインの線上といったところでしょう」

 今年のCSファイナルは巨人が連勝し、王手を掛けた。今日勝てば、日本シリーズ進出が決まる。

「日テレとしては、13%を超えてほしいと願っているでしょう。ただ、5年前はまさかシーズン2位の阪神が4タテをすると思われていなかったし、意外性があった。
しかし、今年は優勝チームの巨人が3位の阪神に3連勝してCSを突破しても、順当な結果となる。試合展開にもよりますが、どこまで伸びるか……。今年の視聴率次第で、
来年以降日本テレビがCSの巨人戦を減らす可能性もあるのではないでしょうか」

 視聴率不振に苦しんでいた1980年代に巨人戦に助けられていた日本テレビ。現在は、視聴率争いでトップを走っている中、逆に巨人戦に悩まされている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191011-00000017-pseven-ent
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