反社会的勢力の会合に出席して金銭を受け取った問題で、記者会見する宮迫博之さん(左)と田村亮さん=2019年7月20日、東京都港区 - 写真=時事通信フォト
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■謹慎した芸人11人にも会見をさせるべきではないか

 吉本興業は由緒正しいブラック企業である。

 「闇営業問題」で明らかになったのは、芸人たちをタレントとしてではなく、消耗品としか考えていない吉本という企業のブラックな体質であったと、私は考えている。

 宮迫博之や田村亮などが詐欺集団の忘年会に出て、高額なギャラをもらっていた。そのことを『フライデー』に指摘されてもウソをつき続けたことは、指弾されても致し方がない。

 だが、それは発端で、真に問われたのは、吉本とヤクザ(反社)との関係、大崎洋会長、岡本昭彦社長体制への疑義、松本人志一強といわれる芸人間のヒエラルキー問題、芸人とエージェント契約すると唐突にいい出した「経営アドバイザリー委員会」なるもののうさん臭さなどである。

 大崎、岡本の吉本ツートップは、岡本社長のしどろもどろの5時間半の会見以降、姿を見せず、宮迫はオレオレ詐欺への啓発ビラを配るボランティアなどをしながら、吉本からの沙汰を待っている間に、彼と亮以外の11人の芸人たちの謹慎を解いてしまったのである。

 復帰させるにしても最低限、11人にも会見をさせ、謝罪させるべきではないか。そんな世間の批判の声も聞こえないようである。

 以前にも書いたが、吉本とヤクザ、それも山口組三代目・田岡一雄組長との縁は深かった。

 以来、山口組を始めとするヤクザとのつながりを断ち切ることができず、水面下で続いてきたのではないかという疑念が、残念ながら吉本にはある。

■「ヤクザとの関係はそんなに簡単に切れへん」

 大崎会長は『週刊新潮』(7/25号)のインタビューで、自分が社長の時、死ぬ気で社内にもいた反社の連中を追い出したと自慢げに語っていたが、その後に出た島田紳助と暴力団幹部との親密交際問題発覚&引退事件を見てもわかるとおり、つながりは断ち切れていないようである。

 元吉本のベテラン漫談家の前田五郎(77)が7月21日、YouTubeの配信番組でこういっている。

 「大崎(洋)会長が僕らのマネージャーをしとった時にヤクザの仕事を持ってきて、それに行ってんねんから、何回も。それを出さんとええカッコ抜かしやがって」

 さらに『週刊ポスト』(8/16・23号)で、

 「当時はほとんどの芸人がヤクザから仕事を受けていましたよ。漫才ブームの時、売れっ子の芸人らは、仕事が終わると外で待っていたヤクザの車に乗り込んで打ち上げに行くコンビもいたんやから。それほどズブズブの関係やったけど、ヤクザが僕らに迷惑をかけることは一切なかった。昔はいまの半グレのように、芸人を利用しようとする奴はおりませんから」

 その前田自身も、時代が変わったことは認めているが、かつてを知る吉本幹部らにこういう。

 「ヤクザとの関係はそんなに簡単に切れへんことは、幹部はみんな知っているはず。そやから今回の騒動が、トカゲのしっぽ切りで終わらないようにするのが務めやないか? 」

■山口組五代目と親しいことを吹聴していた漫才師

 中田カウスという漫才師がいる。かつて山口組五代目・渡辺芳則組長と親しいことを吹聴し、その力をバックに吉本を乗っ取ろうとしていると、創業家から批判が噴出したことがあった。

 その渦中で、中田カウスが何者かに殴られる事件が起き、警察沙汰にまで発展した。

 詳しいことは省くが、その後、大崎社長(当時)が創業家を追い出し、非上場化したが、中田カウスはなぜか吉本を追い出されずに厚遇されてきた。

 現在は、吉本が中心となって設立した「上方漫才協会」の会長に納まっているのである。

 中田カウスが反社だとはいわないが、反社とのつながりが深かったといわれる人物なのだから、いまだに切れないのは、何かあるのではないかと疑われても仕方ないのではないか。(以下ソース)

8/19(月) 19:15配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190819-00029691-president-soci