愛知県の大村秀章知事に批判が殺到している。同県で開催されている国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で、昭和天皇の写真を焼いて灰を踏み付けるような映像作品や、「慰安婦像」として知られる少女像などが展示された企画展が開幕3日で中止になったが、「表現の自由」を掲げて自身の責任を認めないのだ。作家の百田尚樹氏は「大村氏はまったく『表現の自由』を理解していない」と言い切った。

 芸術祭の主催は、愛知県や名古屋市などでつくる実行委員会で、文化庁の補助事業である。税金が投入された公共施設でのイベントで、皇室や日本を貶めるような、政治色の強い展示が行われていたのだ。

 このため、大阪府の吉村洋文知事は7日の記者会見で「表現の自由は保障されるべきだが、『反日プロパガンダ』と国民が思うものを愛知県が主催者として展示するのは大反対だ」「(大村氏は)辞職相当だと思う。責任を取らなきゃいけない」と語った。ネットでも、大村氏への批判が多い。

 これに対し、大村氏は8日、記者団に「哀れだ。この程度のレベルの人が大阪の代表なのか。表現の自由を規定した憲法21条をまったく理解していない」と反論した。

 これはおかしい。「表現の自由」を唱えれば、何をやってもいいのか? 憲法は12条で「公共の福祉」に反する権利乱用を禁じている。

 この問題を、どう考えるべきか。

 前出の百田氏は「『表現の自由』は無制限ではない。それを許してしまうと、人種差別や名誉毀損(きそん)も、『芸術』という看板を掲げれば可能になってしまう。あいちトリエンナーレはここを逸脱した。慰安婦像はアートとはいえない。反日プロパガンダのモニュメントだ。百歩譲って、大村氏がそれでも戦うなら税金を投じてやるべきではない。憲法12条の『公共の福祉』に忠実でなければならない」と語っている。

2019.8.9
http://www.zakzak.co.jp/smp/soc/news/190809/dom1908090008-s1.html