3730校が参加した第101回全国高校野球選手権大会。8月6日に開幕するが、自分の地元からどんな高校が出場するか、誰しも気になるはずである。もっとも、将来プロ野球を目指しているので名門校に行きたい、何としても甲子園に出場したいので、東京や大阪などを避けて参加校の少ない地域の強豪高に進みたい…といった理由から地元を離れて“越境入学”する生徒がいる。いわゆる「外人部隊」である。そのため、過去にはベンチ入りした選手が全員地元の子ではなくなってしまったなんていうケースもあった。当然、オラが街の代表なんて言えないんじゃないの、との声も聞こえてくる。それはさておき、毎回、甲子園大会が開催されると、このテーマは必ずと言っていいほど話題に上る。そこで、昨年に続き、独自に外人部隊率を調査。ベスト5を紹介する。

 週刊朝日増刊(8月15日)『甲子園2019 代表49校完全戦力データ』を参考に、ベンチ入りする20人の選手の出身中学校を調査した。(※編集部注:甲子園大会でメンバーが替わることもある)

●第5位:山形代表 鶴岡東高校:80%(外人部隊16名)

 1968年創立の私立高校。夏の甲子園は3年ぶり、6回出場の山形の鶴岡東は、大阪勢が集まった“外人部隊”だ。大阪出身は7人を占めた。地元山形は4人。あとは長野、埼玉、栃木、兵庫、滋賀、千葉である。山形大会では、5試合で63安打5本塁打50得点。チーム打率は3割8分9厘。5番丸山蓮選手が3戦連続本塁打を放った。チーム最多の8打点を挙げた竹花裕人選手、7打点を挙げた宝田健太選手と、打線に切れ目がない。

●同率第2位:青森代表 八戸学院光星高校:90%(外人部隊18名)

 1956年創立の私立高校(13年に光星学院から校名を変更)。夏の甲子園2年連続、10回出場。ベンチ入りした20人の選手の中で、青森出身はわずか2人だった。内訳は、最多の大阪の5人、奈良が4人、東京3人、あとは京都、静岡、長野、宮城、徳島、沖縄からそれぞれ1名という混成部隊。

 地元紙の記者が解説する。

「97年に夏の甲子園に初出場した八戸学院光星は、外人部隊チームとして地元では有名でした。当時の金沢成奉監督は大阪出身で関西に人脈があったので、大阪のボーイズ・リーグで活躍した中学生を野球留学させたのです。だから野球部だけ、関西弁で喋っていた」
 それ以降も野球留学を続け、夏の甲子園ではベスト8以上が6回、11年の夏の大会から12年の春の選抜と夏、と甲子園では史上初の3大会連続準優勝になった強豪チームだ。
「主将で遊撃手の武岡龍世選手(徳島出身)は、同高校出身で巨人の坂本勇人2世と呼ばれてプロから注目されています。ファーストの近藤遼一選手(奈良出身)は青森大会では6本塁打、20打点と打ちまくっています」(同)

●同率第2位:大分代表 藤蔭高校:80%(外人部隊18名)

 1950年に日田高等経理学校として開校した私立高校(85年より藤蔭に)。2年連続3回出場。ほとんど福岡出身者で固めた“外人部隊”だ。ベンチ入り20人の選手のうち、地元大分は2人で、福岡勢は17人、佐賀1人である。打線は4番で2本塁打で打率5割超の塚本修平選手を軸に、上位から下位まで切れ目がない。長打15本を含む65安打。チーム打率は3割5分1厘。28年ぶりの夏の甲子園出場となった昨年は、開幕試合で星陵(石川)と対戦して敗退。甲子園初勝利はお預けとなった。今年は1勝を目指す。

●同率第2位:鹿児島代表 神村学園高校:80%(外人部隊18名)

 1956年に串木野経理専門学校として開校した私立高校(90年に神村学園に)。2年ぶり5回出場。春の選抜も合わせると計9回出場の甲子園常連校。鹿児島大会では、初戦(2回戦)の薩南工戦こそ11安打を放ちながら残塁10と攻撃に粗さが目立ったが、3回戦の隼人工戦、4回戦の川内戦をいずれもコールドで勝利を収めた。チーム打率は6試合で3割2分2厘。OBに巨人の野上亮磨がいる。

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8/6(火) 6:00配信 デイリー新潮
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