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2019.7.30

 アーティストお多くは、広く知られるヒット曲のほかに、ファンに強く愛されている作品を持つ。渡辺美里が1989年に歌った「すき」もそんな1曲だ。8月7月にリリースされる35周年記念アルバム『ID』では、「すき」の主人公の男女のその後が描かれている。

「アルバムに私らしい曲を入れたいというスタッフの希望もあり『好きのその先へ』を収録しました。作詞作曲は『すき』の曲も書いてくれた大江千里さんです。千里さんが描く『すき』の主人公2人の30年後は、私のイメージしていたそのままでした。そして、彼らのこの先も知りたくなるようなストーリーです。1980年〜1990年代、千里さんにはたくさんの曲を書いていただきました。『10years』とか『夏が来た!』とか。あのころ、私たちは“プラチナコンビ”と自画自賛していました(笑)。その後、千里さんはポップスのシンガーソングライターとしてのキャリアに幕を降ろしてニューヨークへ渡り、ジャズピアニストとして歩んでいます。そんな千里さんと今も一緒に音楽ができることは、ほんとうにうれしい」

 1980年代、渡辺と大江は当時同じレーベルで、同じプロデューサーと仕事をしていた。

「そのプロデューサーにはデビュー前、高校生のときからお世話になっていて、かつて市ヶ谷と飯田橋の間にあった一口坂スタジオや六本木ソニースタジオに遊びに行っていました。そこでレコーディングしていたのが、千里さんやTM NETWORKです」

 その縁で渡辺は大江が書いた曲を歌い、TM NETWORKの小室哲哉が曲を書いた「My Revolution」で1986年に大ブレイクした。

 アルバム『ID』では、渡辺自身も6曲、歌詞を書いている。そのうちの4曲、「Ready Steady Go!」「夢中で走れ!」「ラブ&パンチ!」「IT’S ALL RIGHT!」のタイトルには“!”が付く。どの曲も渡辺らしいロックだ。

 「“!”については、今言われて初めて気づきました。今回のアルバムは、新たなスタートというか、かつてひと口坂スタジオに通っていた高校生のときの私のようなパッションで作りました。それで、タイトルに“!”を付けたのかもしれません」

 そんな渡辺は、どのようにして言葉を紡いでいくのだろう?

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