◆阪神1―4巨人(10日・甲子園)

練習中にイメージした通りだった。坂本勇は大振りせず、バットの芯で捉えることに集中した。2―0の2回2死満塁。
カウント2―2からメッセンジャーの速球を中前に運んだ。「みんながつないでくれたのでコンパクトにいきました。打てて良かったです」。
自身12打席ぶりの安打が2点適時打。リードを4点に広げ試合の主導権を握った。

前日9日までの阪神2連戦は無安打だった。この日の試合前フリー打撃は、原点のセンター返しを徹底。
いつも以上に中前に強烈なライナーを連発してうなずき、何か手応えを得た様子だった。
9回は島本から右前安打でセ・リーグ単独トップに立つ今季97安打目。原監督の「まあ、打ちますよ」という短い賛辞に、絶大な信頼が表れていた。

4年ぶりに復帰した原監督が就任以来ポイントに挙げてきたのが「2番を誰にするか」だった。
「2番吉川尚になるのか、順当に考えればそうなるんだろうけど、それじゃああまり面白くないなと。
どちらかというとそういう人たちが2番て感じがするじゃない」と常識をぶち破り、強打の2番を模索。
吉川尚、坂本勇の1、2番で開幕し、坂本勇は前半戦80試合中、61試合に2番で先発出場した。

原監督が目指したのは「初回に複数点を取りにいく野球」。指揮官は「あまり初回のバントは好きではない。なぜならば2点を取りにいくんだと。
最初からバントでアウトカウントを1個上げたら相手投手は楽だろう」と重圧をかけ続けた。
前半戦、巨人で初回に1番が出塁して2番が犠打は山本の1度だけ。2番・坂本勇では計20度で一度もバントはなく、初回無死一塁で先制2ランもあった。

「打順はどこでもやることは変わらない」という坂本勇は今季、全試合先発出場で打率3割3厘。25本塁打、63打点のリーグ2冠に最多安打だ。
「接戦で勝てている。投手も粘っているので後半戦も頑張ります」。
リーグ戦再開後、4番・岡本の打点0が目立たないのも、坂本勇、丸の安定感があるからこそ。
原野球の象徴「強打の2番」が絶好調のチームを支えている。

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7/11(木) 6:07配信