ここまでは、「今春最大の話題作となっている」といっても過言ではないだろう。
『きのう何食べた?』(テレビ東京系)は、ツイッターの世界トレンド1位と、同局最高の見逃し再生回数をはじめ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)へのコメント、
メディアの記事など、どれを取ってもトップクラスの数字を叩き出している。

 
その理由に、原作漫画の人気と、西島秀俊&内野聖陽という豪華主演コンビを挙げる人は多いが、同作が金曜24時12分からの深夜放送である以上、その2点だけではこれほどの話題作にならなかったのではないか。

 
ここまでの5話を振り返りながら、「どこがどう支持されているのか」を探っていきたい。

「原作漫画の再現性」に自信アリ

 まず押さえておかなければいけないのは、原作漫画のファンたち。
人気漫画である以上、彼らを敵に回すとスタート前から大量の批判コメントが拡散され、取り返しのつかないことになってしまう。

 

しかし、当作は原作漫画の世界観を優先させた脚本・演出・キャスティングを徹底しつつ、原作者のよしながふみから
「『実写なんだし、何もこんなに似せなくても……』と思うぐらい、そっくりです!本当にびっくりしました!すっごく楽しみです!」というコメントを取りつけた。
これによって、放送前や序盤で批判を受けるリスクを回避できたのは大きい。

 
その後も制作サイドは、ドラマと原作漫画を比べさせるスペシャルムービーをネット上で公開するなど、再現性の高さに自信を持っている様子がうかがえる。

 
ただ、原作漫画のファンはテレビの視聴者と比べれば圧倒的に少ないだけに、現在のような支持を得るためには、「『きのう何食べた?』を知らなかった」という人を大量に呼び込むことが必要。
その点、当作は初見の人々を取り込める3つの要素を持ち合わせていた。

 

ひとつ目の要素は、中年カップルの心温まる日常生活。

史朗(西島秀俊)と賢二(内野聖陽)の暮らしは、「食費が月2万5000円で、スーパーの安売り情報を熟知して、毎日の献立を考える」という庶民的なもので親近感には事欠かない。
さらに、「史朗は賢二に喜んでもらおうと、一手間かけた料理をつくり、賢二も史朗に満面の笑みを返す」という穏やかな関係性は癒しを感じさせる。

 
それを西島と内野という実力と人気を兼ね備えた2人が演じるのだから、説得力があるのは当然。
決して「ゲイのカップルだから」ではなく、何気なくも理想的な食卓の風景が多くの視聴者を癒している。


動画レシピを思わせるカメラワーク

 2つ目の要素は、史朗の調理シーン。
実際のところ、西島本人が調理しているシーンはほとんどなく、「手元の映像ばかり」「西島はあまり料理ができないの?」と感じた人は多いのではないか。
西島自身は「料理の練習をしている」ことを公言していることから、意図的な演出と考えるのが自然だろう。

 
SNSの声を拾っていくと、グルメを扱った他作との違いが見えてくる。「これなら私でもつくれそう」「昨日のメニュー、さっそくつくってみた」などのレシピサイトを思わせるコメントが多いのだ。
それを踏まえて当作の料理シーンに再注目してみると、動画レシピサイト並みの親切なカメラワークと解説が施されていることに気づかされる。



https://biz-journal.jp/2019/05/post_27843.html
2019.05.10

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きのう何食べた? 第6話