■中学軟式野球部員は7年間で12万人減った http://news.livedoor.com/lite/article_detail/14704112/

ここまで中学硬式のクラブチームを見てきたが、部活の軟式野球はどうだろうか。
日本中学校体育連盟(中体連)では、加盟校数と在籍生徒数について毎年詳細な数字を公表している。
最新の資料によれば、実は加盟校数では2010年から2017年まで一貫して軟式野球部が1位になっている。
だが、その数は毎年少しずつ減り続け、2012年には全国で8919校だったものが、2017年には8475校になった。
生徒数の減少はさらに顕著だ。毎年1万人以上ずつ減り続け、29万1015人から17万4343人まで減少した。

その間、生徒数ではずっと2位につけているサッカー部は、2013年まで逆に毎年1万人ずつ増え続けている。
それから下降に転じるが、それでも2017年で21万2239人であり、2013年時点からさほど変わっていない。
少子化による就学人口の減少を考えるとむしろ健闘していると言えるだろう。

対して軟式野球部員は7年間で12万人と、これまでにないスピードで減っている。このペースでいけば、
10年余りで中学校の軟式野球部員は0人になってしまう計算だ。

■有効な対策が打てないまま時間がたった

小学生、中学生の野球離れが進んでいる理由は、さまざまに推測されている。野球遊びができる公園や
広場がなくなり、友達同士や親子でキャッチボールをすることすらままならない土地事情に原因を
求める意見もある。あるいは、旧態依然とした高圧的・強権的な指導法がよくないという意見もある。
少年野球チームに子どもを入れると、お茶当番や送迎など親の負担が大きいことも嫌われているという。

どれも理由として正しいだろう。しかし、一番の問題は、このような意見は最近出てきたわけではなく、
もう何年も前から指摘されているのに、手をこまねいたまま何も有効な対策が打ち出せないでいる野球界
そのものにあるように思われる。高度経済成長の時代、子どもはたくさんいた。そして娯楽は少なかった。
黙っていてもみんな野球に親しんでいたのだ。その成功体験から抜け出せないまま、昔ながらのやり方を
続けてしまっていることこそが、問題解決への道を遠ざけている。その結果、今や競技人口の減少は
危機的状況にあり、日本で野球をする子どもが珍しい存在になってしまう未来すら見えかけている。