母国の名門ディナモ・ザグレブのスタッフからキャリアをスタートし、世代別代表チームを指導するなどクロアチアを代表するストレングス&コンディショニングコーチの一人であるクレシミール・ショシュ。

そんな彼のトレーニングメソッドに、なんと日本の忍術が「非常に大きい」影響を与えているのだという。 果たして、どんな関連性があるというのか。意外な関係性の背景、そして、日本への想いを聞いた。

インタビュー・文・写真 長束 恭行
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190429-00010001-fballista-socc

〜中略〜

忍術からの学び
――さて、あなた個人の話に移りましょう。日本人の我われにとっても非常に興味深いのですが、あなたは「忍術」を長きにわたって稽古されていますよね。何をきっかけに始めたのですか?

 「ティーンエイジャーの頃に観た映画が影響しているのは間違いない。アメリカの忍者映画をはじめとしてね。そこで忍術というものを初めて私は耳にしたんだ。稽古を始めたのは13歳の時。ザグレブの忍術道場『武神館』に入会した。忍術に対する愛情というよりは、日本や日本文化に対する愛情がきっかけなんだ。今は昔ほどアクティブに稽古はしていないけど、10年以上は真剣に取り組んだよ。

 忍術はフィジカル的な様相だけにとどまらず、哲学を通して自分自身を鍛える素晴らしい武術だと思う。そのことが私を惹きつけたんだ。長年懸けて築かれたトレーニング手法はとても興味深かったし、その方法論は質の高いものだった。どのように技を構築するか、どのように身体のバランスを取るか、どのようにスピードを培い、身体を鍛えていくか、など。私の頭の中ではこれらの経験が今のトレーニングの指導法と結合しているのさ」


――忍術を学んだ経験は、あなたの専門分野にどれだけ影響がありますか?

 「影響は非常に大きいよ。なぜならば、サッカーと忍術を並行して学んでいた時代があるからね。こんな現象が自分の身の上で起きたんだ。忍術を稽古した直後にサッカーをやると、ボール扱いがより正確になり、スピードが増した。最初はまったく関係ないと思った。サッカーのトレーニングを通してボール扱いが上達することが論理的だからね。でも、『なぜこんなことが起こるのか?』と私は早い段階で研究を始め、『動き』について解析をした。効率的に動きの質を高められれば、動きのメカニズムがより正確であるならば、それをサッカーのピッチへと持ち込める。その考え方が今現在に繋がっているのさ。私のトレーニングでは『質の高い動き』と『メカニズムの構築』を中心に行う。新しいトレーニングの方法論や手法を使うことで、素早く効率的な変化を選手にもたらしてくれるんだ。その結果、試合でもより高いパフォーマンスを発揮できるんだよ」
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190429-00010001-fballista-socc&;p=3

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