セ・リーグ4連覇を目指す広島が開幕スタートダッシュに失敗し、最下位に沈んでいる。14日のDeNA戦にも敗れ、4勝11敗。開幕5カード全てで負け越した。
借金6から「逆転優勝」した1979年シーズンを早くも上回る借金7で、窮地に立たされている。

 目立つのが失点の多さだ。15戦で80失点はリーグ最多。11日(ヤクルト戦)に先発した岡田は、4連続四球などで二回途中6失点で降板。内容の悪さに即2軍落ちが
言い渡された。佐々岡投手コーチも「中継ぎを使わなくては苦しい」と先発陣の不調に頭を抱える。救援陣も、抑えの中崎が10日(同)に延長戦での1イニング
最多12失点のきっかけを作るなど万全ではない。

 リーグワーストの19失策を数える守備の乱れも一因だ。内野守備でミスが相次ぎ、特に一塁手の松山、三塁手の安部はそれぞれ4失策。高ヘッドコーチは
「失策が多過ぎる。ベストな(守備の)形を考える」と困り顔だ。

 打線も低調が続く。チーム打率2割1分2厘、45得点はリーグワースト。出塁率も6球団で唯一3割未満だ。不動の3番・丸が抜け、緒方監督は「打順の固定は考えていない」と、
投手との相性や調子の良さで起用を変えるが、これがうまくはまらない。3番、5番が固定できていないため、4番・鈴木は勝負を避けられがちだ。いらいらが募るのか、
3ボールなど打者有利のカウントから際どい球に手を出して凡打になるケースも散見し、主砲の役割を十分に果たせていない。

 昨季まで「兄貴分」として精神的支柱だった新井貴浩氏が引退した影響も少なくない。ベテランの小窪は「新井さんや黒田(博樹)さんに勇気をもらってきた」と
振り返る。そんな存在に育つ可能性もあった丸が抜け、強いリーダーシップを発揮できる選手がいないことも低迷の一因と言えそうだ。【田中将隆】

毎日新聞
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