最近、バラエティ番組やCM、ドラマやアニメの中でも、後席に座る際にシートベルトを着用しているシーンが目立って来ました。1970年代半ばを舞台としたアニメ「ちびまる子ちゃん」の中でも、車が出るシーンではまる子が後部座席でベルトをしています。

クルマに乗ったらシートベルト! 3点式とは?画像でチェック

 3点式後席ベルトが存在しない時代に、なぜまる子はベルトをしているのでしょうか?

 毎週日曜日の夕方6時からフジテレビ系列で放映されている「ちびまる子ちゃん」は、作者である故・さくらももこさんの子ども時代(小学校3年生)の日常を物語にしたもので、時代設定は1974〜75年(昭和49〜50年)とされています。

 この時代の車には、運転席、助手席、後部座席ともに1975年4月までに設置が義務付けられていますが、いずれも2点式のベルトが主流。後部座席に3点式ベルトの設置が義務付けられたのはつい最近、2012年7月からのことです。

 ちなみに、道路交通法で着用が義務化されたのは運転席・助手席が1984年、後部座席では2008年(チャイルドシートの法制化は2000年4月から)のことでした。

 このような状況の中、1974〜75年の時代設定で、まる子が後席で3点式シートベルトを装着しているのは、かなり奇異な状況であることは確かです。

まる子が後席で3点式ベルトを装着している理由とは?

 この理由について、フジテレビ企業広報室に聞いてみました。

「アニメ『ちびまる子ちゃん』での後部座席シートベルトを着用するシーンは、確かに時代設定にそぐわないかもしれません。しかし子供の視聴者が多い番組であることなども踏まえ、総合的に判断した結果です。

 また、ちびまる子ちゃん以外にもドラマやバラエティ番組を撮影する際に、法令を遵守するのは当然のことであり、公道を走行する自動車内での撮影では必ずシートベルトを着用しております」(フジテレビ企業広報室)

 確かに、バラエティ番組やドラマなど、車に乗るシーンではタレントさん、芸人さん、全員がロケバスの最後列などでも全員がベルトをしていますね。

 明らかに後席3点式ベルトがない時代の車であっても、子どもが多く見る番組でキャラクターがベルトをしていないと、「まる子がベルトをしていないんだから自分もしなくて良い」と考えてしまう危険はあります。

シートベルト着用を始め、コンプライアンスが最も厳しいのはNHK

 シートベルトの着用に関しては2008年に後席ベルトが義務化されて以来、テレビや映画、アニメの世界に至るまで、どのテレビ局の番組でもコンプライアンスの徹底が良くわかります。

 芸人さんやタレントさん以外、一般人が車に乗るシーンでも同様です。中でも徹底しているのがNHKのようです。

 NHKや民放の様々な番組を手掛ける制作会社に聞いてみたところ、「近年は各局とも法令遵守が徹底していますね。シートベルトやチャイルドシートなどを正しく使用することについては番組制作の打ち合わせの段階から必ず話が出ます。

 再度、ロケが始まる際にも同様のことを言われますし、我々制作側も想像できる範囲で確認の意味を込めてプロデューサーにその都度、尋ねるようにしています。とくに厳しいのはNHKですね。NHKではヘッドレストを外すことも禁じられています」(東京都内のテレビ番組制作会社)

 あまり知られていませんが、ヘッドレストを外しての走行は「道路運送車両の保安基準第22条4」に抵触し、道路運送車両法違反になりますからこれに関しても徹底しています。

3/3(日) 17:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190303-00010004-kurumans-bus_all&;p=1