サッカーの「国民的スポーツ化」によって、日本でもようやく
「敵陣に向かって、敵の抵抗と反撃を抑えつつ組織的に攻撃する」
っていう、サッカータイプのスポーツに対する理解が浸透してきたね。

戦争を抽象化したこのタイプのスポーツは、五輪種目だけでも、
サッカー、バスケ、水球、アイスホッケーなどが採用されている
スポーツの一番基本的な形なのに、僻地の日本はド素人だった。

その「基本形」が日本でも、昭和の昔とは比較にならないくらい
一般の国民に浸透してきたのは、五輪種目のハンド、バスケ、
ホッケーなんかにとってはとてもいい追い風になるだろうね。


昔の日本人が好んでいたとされるスポーツって、野球、相撲、バレーと
「一定の陣地から動かない」非能動的・変則的な類のものばかりだった。
子供の頃に親しんだドッジボールだって、「組織的に相手の妨害を
クリアしながら敵陣に進撃していく」というタイプのものじゃない。

攻防完全分離型の野球という特殊なマイナースポーツに洗脳された
人間は、「守っても勝てないならいっそ攻撃を。攻撃は最大の防御」
なんて言って、例えばサッカーでも無謀な突撃をしてカウンターを
取られっぱなしになって惨敗したりしていた。
(そう言えば戦争でも米軍の囮攻撃に簡単に引っ掛かって防御を
開けてしまい、悠々と上陸されたりしていたと言うなあ。日本軍の
作戦はいつも相手の出方を想定しない一方的なものとも言われるし)

いまはようやく日本国民も奇形的な野球脳から脱して、国際的な攻防を
理解できるようになりつつある。