クドカンの数字が芳しくなかった他の作品とおなじで固定視聴者のなかには
面白いと評価してくれる人もいる。これが民放のドラマ、とくに深夜ドラマだと
DVDやBDが同時間帯の作品と比べて多く売れたり、映画化するとヒットしたりする。
それは低迷していようがTVというメディアが依然として相対的に巨大であり、
そこで得た少数のファンは他の場所では多数に相当するからだ。
クドカンを使うならこういう路線の商売が正解だ。決してヒットメーカーではない。
高く評価された代表作も期待よりは成功した、見た人が評価したというだけで、
数字によって周囲を黙らせたわけではない。「あまちゃん」も低迷した朝ドラを
復活させた立役者として評価されているが、数字でいえば評判のよくない昨今の
朝ドラとあまり変わらない。このひとを大河という成功が求められる枠に起用することが
そもそも少しズレていて、数字は悪いが少数ながら面白いと言う人もいる今の事態は
緊急事態なんかじゃなくて、クドカンの作品にはよくあること、つまり事前に
想定できたことだ。