236 名前:名無しさん@恐縮です[sage] 投稿日:2019/02/12(火) 00:19:52.42 ID:DNGOf9py0
ワールドカップ(W杯)メンバー選考を語る上で、このフレーズは、20年たった今もサッカーファンの
脳裏から離れない。98年フランス大会前。岡田武史監督が、FW三浦知良(カズ)を外すと最終決断したのは、
6月2日の発表当日の午前3時すぎだった。

 合宿地のスイス・ニヨンの宿舎ホテル。岡田監督は、同1日午後11時ごろ1階ロビーにコーチ陣を集めた。
小野剛コーチ、フラビオ・フィジカルコーチ、マリオGKコーチ。

最大の焦点はGKを2人にするか、3人にするか。現在のW杯登録メンバーは23人だが、当時は22人。
マリオ・コーチは「絶対GKは3人にすべき」と主張した。

1次リーグ初戦の相手は優勝候補のアルゼンチン。
パワーと個人技で最終ラインを突破される可能性がある。
GKが無理して防ごうとすると、一発退場もありうる。
出場停止は残る2戦に響く。GKが負傷することも心配した。

 1時間に及んだ会議で、GKを3人にすると決めた。
その後、岡田監督は自分の部屋に小野コーチを呼び、3時間以上話し込んだ。
GKを3人にする以上、フィールドプレーヤー1人を外さないといけない。
あらゆる場面をシミュレーションした。
逃げ切る時は? 退場者が出た時は? 相手が守った時は? 誰を外すかではなく、誰が必要かを話し込んだ。

 2人の話題がカズに及んだ。岡田監督は「あの経験はチームが苦しい場面で、絶対に役立つ」と言った。
小野コーチがうなずく。守り主体になるが、攻撃オプションは捨てられない。
FWの枚数は削りたくない。カズ、中山雅史、呂比須ワグナー、岡野雅行、城彰二の5人。
「平野孝はMFだが、FWとしても使える」との話が出た。

そして深夜3時。発表9時間前に岡田監督は「最後はオレが決める」と言って、小野コーチを帰した。
もし今のように、W杯が23人のエントリーなら、カズの夢は実現したかもしれない。
睡眠もそこそこに朝食を済ませ、岡田監督はカズ、北沢豪、市川大祐をそれぞれ部屋に呼んで、落選を伝えた。

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