これは事件だ…。赤いスパイクを履き、赤いグラブを手にした長野はこの日、菊池涼とともに午前9時半に球場入り。松山らと談笑しながらウオーミングアップの後はキャッチボール、ベースランニング、外野ノックと軽快な動きを披露。ここで全員ランチに入った。初日はここらで終了か…と思いきや、長野は午後も室内練習場に登場。約70球のティー打撃を敢行し、午後2時前まで練習を続けたのだ。

 新天地での初練習を終えた長野は、充実感たっぷりに「本当にキク(菊池涼)がいろんなことを教えてくれて、いい練習ができました。1日だけでしたけどみんなと話すこともできたし、今日いたメンバーは顔と名前を覚えました。あとは年齢を覚えていけば大丈夫」。だがこの知らせに驚きを隠せなかったのが、日南から北へ約40キロ離れた宮崎市内で合同自主トレ中の巨人ナインだった。

 猛練習で知られるカープとは対照的に、巨人の先乗り合同自主トレは基本的に“半ドン”。この日も主軸の多くは正午前には練習を終え、すでに宿舎へ引き揚げていた。そこへ飛び込んできたのが「長野が午後も練習するらしい」という衝撃情報。若手時代、先輩の小笠原(現中日二軍監督)が日が暮れるまでバットを振るなか、正午には撤収して行方をくらましていたあの長野が、だ。

 陽岱鋼は「え、チョーさん(長野)もう宮崎へ来てるの? 午後練? マ、マジっすか!」と驚きながら大爆笑。旧知のスタッフは「それ、本当なんですか?」とけげんな表情を浮かべると「雨が降る…絶対に雨が降りますよ」と断言した。

 とはいえ、この日は「午後まで練習した」というだけで、猛練習と呼べるものではない。それでもかたくなに自己流を貫いてきた男の行動が古巣の目には新鮮に映ったようだ。前出のスタッフは「身も心もカープに溶け込もうとしているんでしょう。これは相当やる気と見ました」と長野の覚悟をくみ取った。

 充実の合流初日を終えた長野は天福球場を訪れたカープファンの求めに応じ、即席サイン会も開催した。背番号5での初サインに「まだ番号を『7』と書きそうになっちゃいますねー」と頭をかいたが、表情は晴れ晴れ。ちなみに、31日の宮崎は雨予報となっている。

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