羽生結弦 驚異の切り替え力!転倒15秒で構成変更考えていた 

> 「転倒した際、羽生くんは10秒ほどうずくまっていました。そして立ち上がると、何か考えながらリンクを滑っていました。
> 私は『あのとき、何を考えていたのか』と尋ねました。すると彼は『転んだときに動かなかったのは、どれだけ痛めたのかを確認していました。
> その後で滑りながら考えたのは“ジャンプの構成を変えなければならない”ということ。どう変えるべきかをシュミレーションしていました』と答えたんです。
> つまりケガから15秒ほどで、もう次の展開を考えていたということ。これには、驚きを隠せませんでした」


> アクシデントに動揺するのではなく、すぐさま対応策を考えていたという羽生。野口さんは、“不屈の絶対王者”の強さについてこう続ける。

> 「羽生くんが優れているのは、切り替えの早さにあります。転んだのは4回転ループの練習をしていたときでした。世界で跳べるのは5人くらいしかいない、難しいジャンプです。
> ケガをした状態で成功できる可能性は低いといえるでしょう。すると彼は即座に『4回転ループは外す』と決めたのです。
> ホテルに戻るとブライアンからも『今回は、4回転ループをやめよう』という提案があったそうです。羽生くんは『もちろん、そのつもりです!』と言い、自分で構成を決めて本番に挑んだと聞いています」

> 羽生の切り替えの早さは、精神面だけでなく肉体面にまで及んでいるという。

> 「完全休養した後に練習を再開して、体の調子をピークに持っていく。これはキム・ヨナ(28)でも2カ月かかったのですが、羽生くんはたった6週間で調整できてしまうんです。
> 可能にしているのは、ものすごい集中力と精神力。それも彼の大きな武器だと思います。
> 昨年11月のNHK杯は、見た瞬間に『今シーズンはもうダメかも……』と感じるほど危ない転び方でした。にもかかわらず2月の平昌五輪で復帰しました。
> それを思えば今回はまだ大丈夫。羽生くんなら12月のGPファイナルや全日本選手権、来年3月の世界選手権にピークを持ってくることは可能なはずです」