◆レスリング 全日本選手権 第2日(21日、東京・駒沢体育館)

 22日の各種目の抽選会が行われ、女子57キロ級は五輪4連覇の伊調馨(34)=ALSOK=と今年の世界選手権覇者で2016年リオ五輪63キロ級金メダルの川井梨紗子(24)=ジャパンビバレッジ=が予選で同組に入った。8人参加のトーナメント(T)の予定だったが、欠場者が1人出て2組の予選リーグと変則方式の決勝Tの方式になり、伊調と川井梨は負けても決勝Tで再び激突する可能性が出てきた。21日の決勝は9試合が行われ、男子フリー86キロ級で高谷惣介(29)=ALSOK=が、女子62キロ級は川井友香子(21)=至学館大=が制した。

 想定外の事態になったことで、伊調と川井梨が最大で2度対戦する抽選結果が出た。

 抽選会の直後は出場選手の一部所属チームから「いったい、どうなってるんだ?」と、戸惑う声が上がるなど混乱が生じた。8人参加のトーナメント(T)の振り分けを行う抽選だったが、第1シードの坂上嘉津季(26)=ALSOK=が棄権して出場選手が7人になる不測の事態に。今年から改正された世界連盟のルールにのっとり、7人になった場合は、2組の予選リーグを行った後、各組上位2人による4人のたすきがけの決勝Tを実施することまでは決まっていた。ところが、日本協会に予選2組への振り分け方法が存在せず、右往左往。全日本選手権では前例のないケースに陥り、世界連盟のルールの再確認に時間がかかり、発表に手間取った。

 運命のいたずらなのか。本来の決勝Tだった場合、川井梨と伊調は決勝戦でしか当たらない組み合わせになっていたが、予選で同組に。さらに予選の直接対決で負けても予選で2位通過すれば、決勝戦で再戦する可能性が出てきた。3戦勝ち上がりのトーナメントから変則の競技方式となったことで伊調、川井梨のブロックは、優勝するには1試合多く勝たなければならなくなった。10月にリオ五輪以来の復帰戦を行ったばかりでスタミナに不安の残る伊調にとっては望まざる抽選となったはずだ。

 22日は予選と準決勝を行い、決勝戦は23日に行われる。今大会は2020年東京五輪の出場枠がかかる来年の世界選手権(9月・アスタナ)の第1次代表選考会を兼ねている。競技委員長でもある日本協会の高田裕司専務理事は「選手は大変だろうが、会場に足を運んでくれた方には1粒で2度おいしい抽選となったかな」と複雑な表情を見せていた。(小河原 俊哉)

12/22(土) 6:12配信 スポーツ報知
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