ヤラセ疑惑の渦中にあるバラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が、さらなる危機に直面しているという。
『イッテQ!』は5月にオンエアされた「橋祭り in ラオス」の内容にヤラセ疑惑が浮上した後も、平均視聴率は11月18日は16.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、
12月2日は14.0%と人気を維持している。いったい、どんなピンチが訪れているのだろうか。

「『イッテQ!』が局内でバカにされているんです。そもそも、ヤラセ疑惑が持ち上がった際にいきなり否定するなど、初動対応に失敗。
さらに、演者である宮川大輔を野放しにしてマスコミの取材に答えさせるといった“冷たさ”にも批判が集まっていました。
そんな姿勢に、これまで『イッテQ!』に羨望の眼差しを向けていたテレビ関係者たちは失望しており、もはや半ば見下した感じになっているのです」(テレビ局関係者)

『イッテQ!』といえば、演者の熱量や楽しい感じもさることながら、それをうまく料理するテンポの良い編集や愛のあるイジりで、ほかではつくれないレベルのVTRを送り出してきた。
それによって出川哲朗の好感度が急上昇し、一気に人気者の仲間入りを果たしたほどである。

「海外ロケの番組を担当するスタッフの誰もが経験する『先方に話が通じていなかった』『突然、仕込んでいた海外の出演者が出たくないと言い出した』
などのトラブルもすべて笑いに変えてきた決断力と構成力は、バラエティ制作の鏡でした。それなのに……」(同)

民放バラエティの雄として君臨していた『イッテQ!』の失墜は、ほかの関係者の心にも暗い影を落としているというわけか。しかし、前述の「バカにされている」とはどういうことか。

「たとえば、会議や打ち合わせの場で『祭り』というワードが出ると、誰からともなく『注意してね』と言われたり、『コーディネーター』という言葉で笑いが起きたりします。
もはや、『イッテQ!』関連ワードは“禁句”状態というわけです」(同)

さらに、『イッテQ!』の衝撃は、ほかのバラエティ制作の現場にも影響を与えているという。

「ヤラセ疑惑が発覚してから、ロケや交渉の『準備』『仕込み』に対するチェックの目が厳しくなっています。
そこに無理は生じていないか、先方の確認はきちんと取れているか……といった具合です。もちろん、今まできちんとしてこなかったわけではありませんが、
『イッテQ!』のせいでさらに口うるさく言われるようになりました」(同)

現時点でも、『イッテQ!』のテレビ業界への影響は計り知れないものがありそうだ。さらに、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会
日本テレビに対して番組制作の経緯に関する報告書および映像の提出を求めている。その結果次第では、この問題は年が明けても尾を引きそうな気配だ。

http://dailynewsonline.jp/article/1605068/
2018.12.10 19:50 ビジネスジャーナル