総合3位には宇多田ヒカル『初恋』、4位にはサザンオールスターズ『海のOh, Yeah!!』と中堅〜ベテラン勢が続く。どちらもCDセールス、
ダウンロード、ルックアップの3指標でバランス良く上位をマークしており、幅広い層からの支持が窺える。宇多田ヒカルは今年デビュー20周年、
サザンは40周年とそれぞれ節目のタイミングだが、現役アーティストとしての強い求心力がなくては、ここまでの成績を残すことはなかっただろう。

米津玄師『BOOTLEG』を抑え、ダウンロード1位を獲得したのは、映画『グレイテスト・ショーマン』のオリジナル・サウンドトラック。
今年1月に国内盤がリリースされた本作は、映画の日本公開週に総合2位までジャンプアップし、これまでに通算3回の1位を獲得している。
フィジカル領域での勢いが緩やかに落ち着いていく一方、ダウンロードは根強く上位を維持し続け、“HOT ALBUMS”における洋楽作品の年間順位としては最高位となる総合5位を獲得した。

そのほか、トップ10内にはAKB48、WANIMA、Mr.Children、BTS (防弾少年団)、B'zといった、ジャンルも年代も様々なアーティストの作品が並ぶ。
“ストリーミング時代”におけるプレイリスト戦略が日本でも重要視され始めた昨今、アルバム市場が縮小する見方を頭ごなしに否定することはできない。

しかし、アルバムがアーティスト本人のキュレーションによるプレイリストであると考えれば、デジタル音楽プラットフォームの乱立と、それに伴うプレイリスト競争の激化が進むにつれ、
その需要はむしろ高まっていく可能性すらあるのではないだろうか。ビルボードジャパンでは2019年も引き続き、アルバムのヒットを注意深く観察していく。